近所の花 vol.3 [ヨモギ]

2017.01.17

ヨモギ、と聞くとジグザグとした葉の形を真っ先に想像してしまい、この花と名前が結びつくのに少し時間がかかりました。春から夏にかけてよく育つヨモギは、実は秋から冬にかけて小さな花を咲かせています。

中国では古くから邪気を払うと信じられ、ヨモギを食べると寿命が伸びると言われていました。その教えは日本まで伝えられ、3月3日の桃の節句の菱餅には草餅が使われ、5月5日の端午の節句には、菖蒲とともにヨモギを軒下につるしたり、浴場に入れる風習がのこっている地方もあるといいます。

ヨモギの葉の裏側には、実はうっすらと綿毛が生えているのですが、これは乾燥させて「もぐさ」と呼ばれるお灸としても使われています。いつ誰がどのようにして、お灸として使おうと思ったのでしょう。火のつきがよく、温度を保ったまま火持ちするため、お灸に適しているのだそう。

一方で、秋先になるとヨモギの花粉に悩まされる方もいるのでは……。ヒトにってよくもあり、時に困らせものでもあるヨモギは、相反した性質を持つ、身近ながらにして実はふしぎな植物でした。

35°00’37.1″N 134°59’31.2″E

instagram #ヨモギ

hatsutoki books vol.17 [Mottainai: The Fabric of Life]

2017.01.05

明けましておめでとうございます。今年最初に紹介するのは[Mottainai: The Fabric of Life]という本。これは、日本の人々が「木綿以前」に作っていた仕事着や日常着について書かれたものです。

昔の庶民は「木綿の仕事着」というのが現代の人が抱くイメージかもしれませんが、実は木綿が広まったのはそんなに昔のことではなく、江戸時代中期にようやく人々の手に渡って行ったようです。木綿が普及するまで、どのような材料で布を織っていたのか? 実は、山や野に自生する樹や草から糸を取り出していました。

それは、聞くほどに気の遠くなる時間と労力が費やされた布。たとえば、紙布(シフ)と呼ばれた生地は経糸に藤、横糸には藤に紙を細く切って紙縒りにしたものを織り込んでいました。紙に書かれた墨の部分が紙縒りにすることでまだら模様を浮かびあがらせ、杢糸のような奥行きのある生地になっています。それがとても美しいのです。
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科(シナ)やオヒョウ、藤、葛、芭蕉、大麻など、残っているものでも多くの種類があるのですから、きっと昔の人々はあらゆる植物で生地を生むことを試みたのでは……、と思います。華美な装飾や高い技巧による美しさとはちがって、長く使いたいという使い手の思いと、それにかけた時間が生み出す静かな美を感じる一冊です。

instagram #hatsutokibooks

初雪

2016.12.29

昨日の朝、西脇ではひっそりと初雪が降りました。いつも以上に冷え込んでいるなと思ってカーテンを開けると、雪がはらはらと舞っていました。大きくてふんわりとした雪の時、コートに降り立ったものをじっと見つめて雪の結晶のかたちを見つけると、いくつになっても、おお……!とやっぱり感動してしまいます。ただ、氷のかたまりが地上に到達する中で、自然とあんな繊細な形が作られているのはなんとも不思議。

太陽が高く上がってくると雪はすぐに溶け出して、少し切なかったですが、光にきらきらと反射してそれもまた綺麗でした。雪解けと共に、アトリエの大掃除も終わり。もう年の瀬ですね。今年もありがとうございました。皆様、良い新年をお迎えください。

よい旅を!

2016.12.26

めくるめく時間が過ぎて、クリスマスも終わりいよいよ年越し。年末やお正月、少し遠くを訪れる方もいるのでは。

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近所の花 vol.2 [ポットマム]

2016.12.14

真っ赤に熟れた柿の木の横で背が低く咲いていた黄色い花。冷え切った朝の空気の中、ボンボンと花をつけて、すごい生命力で咲き誇っていました。

この種類、名前は[ポットマム]という種類の一つなのだそう。その名の通り、鉢植え(ポット)のキクを指しています。1950年代にアメリカで鉢植え向きの園芸品種が育成されて、ポットマムという名称で販売されたのが始まりだといいます。

もとは園芸用の苗として売っていたものが、地面に植え替えられていたんですね。冬の光景で異様に目にとまった理由が、なんだかわかったような気がします。

34°58’17.8″N 134°58’03.7″E

instagram #ポットマム

hatsutoki books vol.16 [THE NEW WORLD]

2016.12.11

今日紹介するのは、ソール・スタインバーグの[THE NEW WORLD]というイラストレーション集。雑誌[The New Yorker]のために描かれた、少しシニカルでユーモアのある作品が収められています。

スタインバーグは、ルーマニアに生まれたユダヤ系の家庭で生まれ育ちましたが、ヨーロッパに住んだ20代、ファシスト政権下の勢力から逃れるために渡米しました。風刺的な要素を孕んだ作品を見ると、異国の土地で住む違和感を感じ続けていた彼の人生があるからこそ、描けていたんだとあらためて気づきます。

たとえば、他の場所に引っ越したり、職場を変えたり、時には旅行をして取り巻く環境が変化すると、自分が「よそ者」なんだとふと感じます。その距離は一見寂しくも感じそうですが、一方で「みんなにとっての当たり前」が当たり前ではなく感じることができる、新鮮な気持ちを味わえる機会にもなり得ることがあります。

そう考えると、少し住み慣れていないところに身を置くというのは、ものづくりをするときにいい働きを及ぼすのかもしれません。どんな日常でも新鮮に捉えることができれば、世界がどんどん広がりそうです。

instagram #hatsutokibooks

贈りものの季節。

2016.12.09

今年も、もう残りわずか。クリスマスや年越し、
たいせつな人と、とっておきの時間を過ごせる季節ですね。
いつもの感謝を込めて、あたたかな装いを贈りませんか。

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近所の花 vol.1 [君が代蘭]

2016.12.07

冬の朝、冷え込んだ空気の中を走りたくなって、この頃ランニングを始めてみました。道端に目を向けると、秋の初めは見られなかった花が咲いていたり、小さな発見があります。そんな日々を過ごすなかで、ふと目にとまった草花を活けてみることにしました。

西脇を南北に横断するJR加古川線の線路沿い。実はいろんな植物が緑々と生えており、その中でも一段と白い花が映えていました。

和名で[君が代蘭]といいます。花が数多く咲き続け、いつまでも栄えるという意味を込めてつけられたのだそう。一度耳にすると、忘れない名前ですね。

34°58’27.5″N 134°58’10.3″E

instagram #君が代蘭

KIKKOU × hatsutoki アクセサリー [コトバトフク]にて期間限定受注会

2016.11.08

アクセサリーブランドKIKKOUとhatsutokiのコラボ商品が、期間限定で京都の[コトバトフク]にてご覧いただけます。こちらのお店では、hatsutokiの秋冬のワードローブも合わせて置かせていただいております。
京都も、これからいよいよ紅葉が綺麗な季節のようですね。お近くまでお立ち寄りいただいた際は、ぜひお手にとってご覧いただきたいと思います。


コトバトフク
京都府京都市中京区西ノ京職司町67-15 1/8bldg.4A
TEL 075-802-8188
営業時間 12:00 -20:00  定休日 火・水曜日
※アクセサリーの受注会は11月末までとなります。
http://kotobatofuku.tumblr.com/

hatsutoki books vol.15 [thalia]

2016.11.07

今日紹介するのは、フジモリメグミさんという写真家の作品を収めたzine [thalia]。日常の風景を残していくことをテーマに、311の震災後から撮影された写真が並んでいます。「残していく」という言葉がふさわしく、はっと目をとめてしまうような一瞬の景色も”淡々と”シャッターを切っているかのような、独特の温度感が印象的。

初めてメグミさんの作品を見たのは、友人の紹介で表参道のスパイラルでの展示に行った時でした。水の底から上を見上げたときに撮ったような写真があって「これ、別に水に潜って撮ったんじゃないんだよね。結構、身近な場所で撮ってるよ」というようなことを話されていたのが妙に記憶に残っています。身近で、素朴で日常的で、それこそがうつしくて尊いんだなあということをふと思ってしまう作品。それでいて、甘えがなく、凛とした芯を感じられる。たまに「これは……なんだろう」というようなふしぎな景色もある。きっと同じ場面にいても、何か特別なアンテナを持っている彼女しか捉えられない風景なんだろうと、写真を見るたびに思えてしまいます。

このzineは、個展に行った時に買いました。好きなカットを開いて部屋に飾ったりできて、季節の変わり目などにカレンダーのようにページを変えています。メグミさんのキュートでチャーミングでさっぱりしたお人柄が、これまた素敵なのです。

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