曇り空、ストライプ

2016.06.30

ほのかに霧が掛かったような、白に近いライトグレーの地。サックスのストライプを水に見立て、ストライプを囲うように細い細い金糸を忍ばせました。光が金糸に当たるとちかちかと反射します。霧の向こうから光が差し込み、水滴に光が反射する。そんなイメージのストライプシャツです。

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ピンストライプスタンドカラーシャツ

ラメストライプロングタンク

播州織ができるまで③ -染料について-

2016.06.29

繊維を染める染料は大きく分けて二種類で、藍染めや泥染めなど自然由来の天然染料と、石油をはじめ化学的に合成された合成染料があります。合成染料のなかでも、綿織物の産地である西脇は「反応染料」という染料を用いて綿糸を染めています。この染色方法は堅牢度がよく、色が鮮明であるのが特徴です。

写真は、様々な濃度の染料が入ったビーカー。基本的な染料はたった数種類なのですが、それぞれを抽出し混ぜ合わせる割合を微調整して、出したい色を作ります。

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近い色合いでも、その幅は無限。工場内にはすごい量の糸の色見本がずらりと揃っています。微妙な色味も、染料のデータをしっかりと取ることでいつでもまた同じ色を再現できます。ブランドが通年を通して安定したクオリティの商品を作り出せる裏側には、染色のこまやかな仕事がなくてはならないのです。

砥峰高原

2016.06.27

西脇市から車で90分ほどのところにある草原が広がる砥峰(とのみね)高原。写真は以前夏に訪れた際に撮ったものなのですが、山の上に広がる高原なので、ひんやりとした空気がとても気持ちよかった事を覚えています。この日は雲におおわれていて、すかっと景色が見えたわけではないのですが、グレーの雲が緑の草原を引き立てていた景色がとても印象に残っていました。

秋はすすきが広がる高原の景色は観光名所としても有名です。映画「ノルウェイの森」のロケ地になったことでも話題になりました。美しい高原の景色はどのシーズンに行ってもきっと楽しめると思います。夏の夜、流星群に合わせて行くと、すごい数の流れ星と天の川も見れるそうです。是非訪れて見てください。

hatsutoki books vol.5 [Storm Last Night]

2016.06.25

今回紹介するのは、写真家・津田直の[Storm Last Night]。彼の祖父がかつて住んでいたという家を探しに、わずかな手掛かりをもとにはじまった、アイルランドの地への旅がおさめられています。

自身の記憶を遡りつつ歩き回るなかで、先住民の残した聖跡や、無文字文化に生きた人々が築いた住居跡、人間がかつて暮らしていた島々へ辿り着きました。風景が信仰の対象であったという古代の人々にとっては、その土地がどんな意味を持っていたのだろうかと、人と自然の関わりを考えながらそれぞれの場所を巡っていたのだといいます。

彼の捉える写真は、場所を決定づけるたしかな何かが写されているわけではない、自然の景色がほとんどなのですが、その風景になぜか固有の力強さを感じます。土地の空気や魅力というのは、そこにかつて人が住まった記憶や生き物の気配のようなものが蓄積されることで作られるのかもしれないと思うと、日常や旅先での風景もどこか特別に感じそうです。

水の季節

2016.06.24

湿気に包まれて少し身体が重たいような。すっかり梅雨に入って雨が続いています。この季節になると、草木は一気に成長するようです。水々しい毎日は植物にとってはとても気持ちよいのでしょう。

ふと雲の切れ間から差し込む光は湿気で拡散して柔らかく、夏のそれとはやはり違います。同時に水気を含んだ草花がきらきらと輝くので、水の季節ならではの美しい世界が現れるのです。普段が薄暗い為か、余計にその一時の感動が大きいのかもしれません。

「梅雨は憂鬱」と思い込んでいたのですが、この土地に暮らす限りはそうでもないかもしれません。朝、すぅっと深呼吸した時の、少し冷たく潤った空気はとても新鮮で身体に染み渡るような感じがします。雨は草木にとっても人にとっても、生きる力のようなものを与えてくれるのかもしれないですね。

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播州織ができるまで②-糸について-

2016.06.21

今回は、染める「糸」について。前回お話ししたように、hatsutokiの生地が生まれる播州は先染めの手法が特徴のひとつです。染色時の糸の状態は3つに分けることができ、それぞれ綛(かせ)、チーズ、ビームと呼ばれています。上の写真は、ナチュラル・チーズの固まりのような形をしていることから「チーズ」といわれています。

播州では糸を紡績会社から調達して、織物を作っています。仕入れた原糸も同じようなロール状なのですが、染色するときのチーズとはちょっとした違いがあります。ひとつは芯。原糸の芯は紙製や木製のものですが、染色のために巻き直されたチーズは、芯がステンレス製で表面に多数の穴が空いていたり、メッシュ状になっていたりします。これは、ロールの内側から染液に染み込ませるためです。(写真の右側は染色のために巻かれたもので、左は染色後の糸が紙製の芯に巻き直されたものです。)

もうひとつの違いは、チーズの上部分。染色のためのチーズは、少し肩が落ちたように丸みを帯びた円柱になっています。これは糸の重なり具合によって染めむらを生じさせないためで、このかたちにする工程を「肩おとし」と呼んでいます。前回の写真は、チーズが今まさに染色の釜へ入っていくようす。この手法で、まとまった量の糸を染め上げることができるのです。

hatsutoki books vol.4[造形思考]

2016.06.20

「芸術の本質は、見えるものをそのまま再現するのではなく、見えるようにすることにある」。音や光や運動と造形の結びつきについて考えつづけた画家パウル・クレー。今回紹介するのは、彼が遺したメモを編纂したものです。彼の作品がどのような方法論に基づいて描かれているのか、その軌跡が記されています。

クレーは絵画表現における線、明暗の調子、色彩など、画面を構成する要素一つひとつをひも解き、それぞれが何を体現し得るのかを制作を通して研究を繰り返しました。白という色は黒の地があることで存在でき、黒という色も同じく、白地があるからこそ認識できるというように、たとえば紙に筆を立てることからそもそもの行為について絵画を考え、意味を与えて作品を作っていました。

いま自分たちが生きている世界というのは、いろんな経験や現象に溢れては過ぎ去っていきますが、その「混沌」から「秩序」を見つけて昇華させる作業こそが「芸術家の仕事」なのだとクレーは記していました。それは、わたしたちが日常のなかで、出会う風景や身の回りのものごとから、新しい発見やものづくりのアイデアを見つけるのと近しいことかもしれません。

Barnshelf [兵庫・三田]

2016.06.16

兵庫・三田にある「Barnshelf」は、かつて牛小屋だった建物を改装して建てられたお店。ここでhatsutokiをお取り扱い頂いています。

海外のものも日本のものも、古いものも新しいものも、心地よく混在して並んでおり、目にうつるものが一つひとつ新鮮に感じます。もともと大の古本好きで前職の雑貨店では本棚を担当していた店長がセレクトした本をはじめ、洋服や雑貨、ユーズドの家具などが取り扱われています。商品の背景を紐解いてみたくなる、魅力的なものがお店いっぱいに置かれています。

広々とした店内には喫茶スペースも。ドライブで訪れるもよし、三田駅・新三田駅からバスでもアクセスできます。日々のくらしに彩りが加わるようなものが揃った、すてきなお店です。ぜひお気に入りの一点を探してみてください。


Barnshelf

〒669-1515 兵庫県三田市大原1587-9
Tel : 079-558-7664
Fax : 079-558-7665
営業時間 :11:00am~7:00pm
定休日 : 水曜日
HP : http://barnshelf.com/

instagram  @barnshelf

播州織ができるまで①-糸の染めについて-

2016.06.15

hatsutokiは、播州織の産地として有名な兵庫県西脇市を拠点に服作りをしています。写真は、織物に使われる糸を染める染色工場。染色の工程において大切な水は、播州を流れる川からめぐまれています。播州織は、糸を染めてから織る「先染め」の手法を用いているのが特徴のひとつです。糸の中心まで染め、仕上げには何度も洗いを繰り返すことで、織り上がった生地は色が深く、色落ちもしづらくなります。

糸に負荷を与えず、均質な色合いで染め上げるのはとても難しいのだそうです。hatsutokiでも定番のコットン100番単糸という極細の糸はとくに繊細なので、染色段階で糸にダメージを与えないようにする技術がよりいっそう求められます。織る段階になって生地に不具合が生じた際でも、そもそも染めに原因があるかもしれないと、ときには染めの職人さんが織りの工場に駆けつけることもあるといいます。

播州の地域では染めや織りなど、生地が織り上がるまでの作業が分業で行われています。それぞれの職人さんが各工程を見通して仕事を仕上げることで、初めて品質の高い織物が生まれるのです。これから数回にわたって、播州の地区において、どのように糸が生地に仕上がっていくのかをあらためて紹介していこうと思います。次回は引き続き、染色の現場で行われている仕事についてお話ししていきます。

hatsutoki books vol.3[Lartigue’s Riviera]

2016.06.13

アマチュア写真家ジャック=アンリ・ラルティーグの写真集。リヴィエラという、地中海沿岸のリゾート地でくつろぐ人々の夏のバカンス風景を捉えたものです。時間の紐がほどけたようにのびやかな生活は、地中海の夏の日射しが肌を照らす感触や、海から上がって風にあたる心地よさをふと想像してしまいます。

ラルティーグは多くの恋愛をし、3度の結婚をしました。この作品集にも当時の妻が写りこんでおり、彼女のふとした表情はとても女性らしく親密で、彼らの幸せな日々が伝わってきます。

彼は11才の頃に初めて訪れてからリヴィエラの地に魅了され生涯かけて足を運び、ゆたかな人々の暮らしを撮り続けていました。ページをめくるだけで地中海を優雅に旅しているような気分になる一冊です。