hatsutoki books vol. 14 [HET VERZAMELD BREIWERK VAN LOES VEENSTRA]

2016.10.17

今回ご紹介するのはLOES VEENSTRAという、オランダに住む女性が50年以上かけて編み続けた、500以上のウールのセーターが集められた本です。一つひとつ全く違うデザインのセーターは、色の組み合わせもかたちも独特でどれも魅力的。しかし、これらは長いこと誰にも着られないまま彼女の家で眠り続けていました。

実はもともと彼女は禁煙をしたかったがために、手持ち無沙汰にならないよう編物をしていたのだそうです。編んでは屋根裏にとっておくことを繰り返した蓄積……と聞くと、ページの中のニットたちがなんだか一層愛おしく思えてきます。オランダのデザイナー・CHRISTIEN MEINDERTSMAが着目したことをきっかけに作品を本にまとめたのだそう。フラッシュモブのようなスタイルで、彼女のセーターを500人以上に及ぶ出演者が纏う動画を作っていました。

自分がかつて織物を学んだ時の先生が「織物は機械や道具が色々とないとできないけど、編物はどこででも棒と糸さえあればできるのよね」と話していたのを、今も時々思い出します。生地のなかでも、使う糸の種類や生産の仕組みなど、織物とニットではちがうことが沢山。同じ素材を使っても出来上がった表情も全くちがいました。

というのも、実はhatsutokiも今シーズン初めて、ニットの商品を作ってみたのです。糸はカシミアとコットンを撚り合せたもので、それを編んだらどうなるのかワクワクしながら作ったニットキャップ。ほかの産地の技術を取り入れつつ、作るものの幅が少し広がったように思えます。オンラインストアにも登場していますので、よかったら見てみてください。

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コットンカシミアリブニットキャップ

[グレー][カーキ]

八幡神社例大祭

2016.10.11

播州周辺の地区では毎年10月にお祭りが行われます。写真は、西脇の八幡神社で催された例大祭。町ごとに山車や神輿がこの八幡神社に集まります。祭り当日は雨の予報だったのが一転、神様が取り計らってくれたような晴天でした。

朝、町なかを歩いていると祭りの音楽が遠くから聞こえ、半被を来た人がちらほらと歩いていました。この祭りに合わせて帰省してくる人たちも多いとのこと。祭りの会場ではいろんな人が再会していたり、一緒にお酒を飲んでいたり、見ているとそれは家族のお盆や正月に家族全員が集う風景のようでした。こういう節目に、人が集える場所があり続けるというのは、すてきなことだなと感じます。

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町によっては、播州織の半被を来ているところも。町ごとに、格好も神輿もうたう歌もちがいました。その中でも、祭りで一番見ごたえがあったのは「あばれ太鼓」。太鼓を叩く人が4人乗った神輿をなんと、繰り返し左右に大きく横転させるのです。

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普段おだやかな西脇の人の印象と全くちがって!荒々しくて力強く、真剣で熱気が帯びた神輿でした。綿々と受け継がれた祭に圧倒されながら、なによりもお祭りを通して町の人が強く繋がっていることを実感できました。西脇に来て半年。また少し、この土地のことを知ることができたように思えます。

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hatsutoki ストール展示即売会 @créer/広島

2016.10.04

10/2から10/19まで開催中。繊細で心地よいハツトキのテキスタイル。秋冬に重宝するストールを展示販売しております。
広島では初の販売です!この機会に、ぜひお手にとってご覧ください。


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広島県広島市中区大手町2-5-11 はるぜんグラン・リーブ5F
TEL 082-236-9878
営業時間 10:00 -18:30  不定休
http://www.e-cloth.jp/

Mustard

2016.10.04

京都の四条烏丸を少し下ったところに位置するお店「Mustard」にて、hatsutokiの商品をお取り扱いいただいています。

hatsutokiの定番であるダブルフェイスのアイテムを始め、susuriやikkuna/suzuki takayukiなど素材を生かした、うつくしい生地で仕立てられた服が並んでいます。3階部分には手織りの工房を構えており、ここで織り上げた布で作られたストールや鞄などもご覧いただけます。

10/11(火)までhatsutokiの秋冬の新作もボリュームアップして、お披露目しております。これから、ようやく京都も紅葉が色づき始める季節。ぜひお近くにお越しの際はお立ち寄りください。


Mustard
京都市下京区東洞院通松原上ル燈籠町588
TEL 075-344-2455
営業時間 11:00 -18:00  定休日 水・木曜日
http://www.mustard-3rd.com/

播州織ができるまで⑩ -製織について-

2016.10.03

織物が出来上がるまでの工程を追ったこのシリーズも10回目。ようやく、織りの工程までたどり着きました。

一口に織物といっても、いろいろな素材があるように織り方も様々。織りたい生地によって、実は機械も違います。生地を織る工場を、産地では機屋(ハタヤ)さんと呼んでいますが、機屋さんによって持っている機械も変わってきます。染めや加工と大きく違うのは、家業として営んでいるところが多いということ。ほとんどが家族数人で、何台もの織機を一斉に動かしています。

機械で織る、ということは手織りなどと比べて量産もできてスピードも早く、便利であるように聞こえますが、それはまったく違いました。機屋の中は、ある程度の湿気がなければ糸が切れやすくなってしまうため、夏は時に40度を越える室内で作業をしなければなりません。それでも、手織りでは到底扱えないような細い糸は、ちょっとしたはずみで切れてしまい、職人さんはその度に一本ずつ手で結び直していきます。

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織機自体のメンテナンスも、職人さんの日常の仕事。調子が悪ければ機械を一旦停止させ、部品を交換する必要があれば、昔動いていた古い織機から部品を解体して使いまわす。塵や糸くずが織り目に飛び込まないよう、常に機械は綺麗に保つ必要があります。広い工場、大きな機械を目の当たりにするとそれがいかに大変なことか実感します。

ライトコットントレンチコート

2016.10.03

たっぷりとした分量のトレンチコート。着る人の動きに合わせ美しく布が揺れます。ベルトで絞られ自然と寄ったギャザーは裾まで波打ち、影を作り、奥行きのあるテキスタイルの色味をより一層引き立てます。

シャツ用にと開発したテキスタイルからインスピレーションを得て、コートのデザインを考えました。布をじっと見つめながら、揺らしてみたり、壁に掛けてみたり、絞ってみたり。そうしているうちに、この布がトレンチコートになったらどんなに美しいだろうと想像を膨らませワクワクしながらデザインをスタートしました。

テキスタイルは3色もの色が重なりあった深みのあるシャンブレー。柔らかい生地感と光沢は女性らしく繊細でありながら、細かいヘリンボーンが施されるテクスチャーは男性的でもありました。2面性を兼ね備えた生地の良さをそのまま形にしようと考えた時に強さと女性らしさを兼ね備えたウェアのイメージが湧いてきました。

トレンチコートのルーツは本来軍用にデザインされたものです。高密度のギャバジンなどで仕立てた物が定番ですが、あえて繊細なテキスタイルを用いて、ミリタリーの持つ強くたくましいイメージを引用し、繊細で凛とした女性像と重ね合わせました。クラシカルを洗練させたシーズンテーマ「KIKYOU(帰郷)」のイメージを代表するアイテムでもあります。是非ご覧ください。

_murata

 


ライトコットントレンチコート

[カーキ][ホワイト]

codama[栃木・宇都宮]

2016.09.28

9/17(土)栃木県宇都宮に[codama]というセレクトショップがオープン!こちらにて、hatsutokiをお取り扱いいただくことになりました。

こだまのように、人やものが共鳴しあうようなお店。心地よく、こころが踊るような日常着が揃っております。どこか懐かしく、ゆったりとした時間が流れる空間です。

お店に行けば栃木のいいところや美味しいお店も教えてもらえるかも。お近くにいらした際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。


codama
栃木県宇都宮市塙田3丁目5−24 田村ビル2F
営業時間 :12:00 – 20:00
定休日 : 水・木曜日
HP : http://www.codama-utsunomiya.info/
instagram @codama_utsunomiya

hatsutoki books vol. 13 [ホテル カクタス]

2016.09.23

9月も下旬にさしかかり、ようやく秋の気配が感じられてきました。hatsutokiの2016年秋冬のテーマは「帰郷」ということで、帰る場所にまつわる本にしようと思います。今回紹介するのは江國香織の「ホテル カクタス」。

この本の登場人物は、きゅうりと帽子と数字の2。なんのことだか……と思われるかもしれませんが、全員、正真正銘本物のそれらなのです。きゅうりはおおらかな土地で育った、みずみずしくすこやかな青年で、帽子はかつては行商をしたり、占いをしながら転々と色々な持ち主を渡り歩いていた放浪者、数字の2は几帳面な性格で、割り切れない物事には耐えられない性格です。

彼らが一つのアパートで住まう日常が描かれた話は、可笑しみがありつつも、もしも私たちの身の回りのモノが話せたならば……と想像してしまいます。ばらばらな生い立ちを持つ者同士が、何かの縁で一つ屋根の下で暮らしている時間は家族や友人のようでもあり、自分たちの身近な関係と重なります。へとへとになった時に帰る場所や、話し込んで夜が明かせるような人がいることは幸せだなと、ふと思ってしまう作品です。

_tatsuyama

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ツイルチェックシャツ

2016.09.17

秋の乾いた空気、透明な光の下では山や草木の紅葉の色がよりいっそう美しく見え記憶に残っていました。私達が拠点としている兵庫県西脇市は四方を山に囲まれていて、植林された常緑樹が少なく、雑木林の山が多いため、秋の山の景色は大変美しいのです。そんな景色を思い浮かべながら作ったオリジナルのチェック柄です。

一見すると、どこにでもある伝統的なチェック柄の様にも見えます。古くからある、伝統的なチェック柄もやはり自然の色のインスピレーションから配色を考えられたものだったからではないでしょうか。私達もその美意識に習い、私達自身が見た景色、光、空気をその柄に落とし込もうと思いました。そして現代の洗練された技術をもって、上質で細く繊細なコットンで織り上げ、hatsutokiの生地ならではのアイデンティティをもたせました。織り上がった生地は皺の陰影や、光の加減によってほのかに変わる色の深み。美しい質感となりました。ふわりと軽く薄い生地は空気を纏うように軽やかで優しい肌触りのシャツです。

ノーカラーのシャツでスッキリと仕立ました。上質な黒蝶貝の貝ボタン、背中に入った細やかなピンタック。糸作りから染、織り、仕上げ、縫製まで何十人もの職人の丁寧な仕事が一枚のシャツに凝縮されているのです。是非ご覧ください。

こちらのシャツの生地の制作工程を追いかけた動画を公開しております。そちらも合わせてご覧ください。
▷動画【hatsutoki Inspiration & Making】

_murata

 


 

ツイルチェックシャツ
[カーキ][ネイビー]
オンラインショップでもご覧いただけます。

播州織ができるまで⑨ -経通しについて-

2016.09.09

前回は、畦取りの工程で経糸を色順に並び替えるという作業について話しました。今回は、織り出すまでの最後の段階のお話として「経(へ)通し」について。

経通しの作業は、幾つかの段階に分けられます。一つは「経糸切れ停止装置」というものに糸を通す工程。これは織っている時に糸が切れたことを感知するセンサーの役目を果たしており、写真の手前側に写っているものです。これによって数千本もの糸が一本でも切れたとき、機械が瞬時に止まるようできています。

次は「綜絖」というものに糸を通します。綜絖は糸を通す穴のあるワイヤーで、写真では奥側に写った長いもの。これは、経糸を上下に動かすための道具です。上下に開いた経糸の間を緯糸が通ることがくり返され、布が織られていきます。

そして最後に「筬」というものに経糸を通します。 経糸が一本一本絡まないように整え、同時に密度を決めるものでもあります。緯糸を打ち付けて織り進めていくための道具です。

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数千本もの糸を、実は数工程に分けて何度も通されていることに驚き。これらの作業は機械で行うこともできますが、未だに手作業も主流です。ボイルといわれる強撚糸や、とても細く繊細な糸などは特に手で行わなければいけません。流れるような手さばきで、着々と糸を通し続ける職人さんのお仕事は、息を止めて見入ってしまいます。