hatsutoki books vol.4[造形思考]

2016.06.20

「芸術の本質は、見えるものをそのまま再現するのではなく、見えるようにすることにある」。音や光や運動と造形の結びつきについて考えつづけた画家パウル・クレー。今回紹介するのは、彼が遺したメモを編纂したものです。彼の作品がどのような方法論に基づいて描かれているのか、その軌跡が記されています。

クレーは絵画表現における線、明暗の調子、色彩など、画面を構成する要素一つひとつをひも解き、それぞれが何を体現し得るのかを制作を通して研究を繰り返しました。白という色は黒の地があることで存在でき、黒という色も同じく、白地があるからこそ認識できるというように、たとえば紙に筆を立てることからそもそもの行為について絵画を考え、意味を与えて作品を作っていました。

いま自分たちが生きている世界というのは、いろんな経験や現象に溢れては過ぎ去っていきますが、その「混沌」から「秩序」を見つけて昇華させる作業こそが「芸術家の仕事」なのだとクレーは記していました。それは、わたしたちが日常のなかで、出会う風景や身の回りのものごとから、新しい発見やものづくりのアイデアを見つけるのと近しいことかもしれません。

Barnshelf [兵庫・三田]

2016.06.16

兵庫・三田にある「Barnshelf」は、かつて牛小屋だった建物を改装して建てられたお店。ここでhatsutokiをお取り扱い頂いています。

海外のものも日本のものも、古いものも新しいものも、心地よく混在して並んでおり、目にうつるものが一つひとつ新鮮に感じます。もともと大の古本好きで前職の雑貨店では本棚を担当していた店長がセレクトした本をはじめ、洋服や雑貨、ユーズドの家具などが取り扱われています。商品の背景を紐解いてみたくなる、魅力的なものがお店いっぱいに置かれています。

広々とした店内には喫茶スペースも。ドライブで訪れるもよし、三田駅・新三田駅からバスでもアクセスできます。日々のくらしに彩りが加わるようなものが揃った、すてきなお店です。ぜひお気に入りの一点を探してみてください。


Barnshelf

〒669-1515 兵庫県三田市大原1587-9
Tel : 079-558-7664
Fax : 079-558-7665
営業時間 :11:00am~7:00pm
定休日 : 水曜日
HP : http://barnshelf.com/

instagram  @barnshelf

播州織ができるまで①-糸の染めについて-

2016.06.15

hatsutokiは、播州織の産地として有名な兵庫県西脇市を拠点に服作りをしています。写真は、織物に使われる糸を染める染色工場。染色の工程において大切な水は、播州を流れる川からめぐまれています。播州織は、糸を染めてから織る「先染め」の手法を用いているのが特徴のひとつです。糸の中心まで染め、仕上げには何度も洗いを繰り返すことで、織り上がった生地は色が深く、色落ちもしづらくなります。

糸に負荷を与えず、均質な色合いで染め上げるのはとても難しいのだそうです。hatsutokiでも定番のコットン100番単糸という極細の糸はとくに繊細なので、染色段階で糸にダメージを与えないようにする技術がよりいっそう求められます。織る段階になって生地に不具合が生じた際でも、そもそも染めに原因があるかもしれないと、ときには染めの職人さんが織りの工場に駆けつけることもあるといいます。

播州の地域では染めや織りなど、生地が織り上がるまでの作業が分業で行われています。それぞれの職人さんが各工程を見通して仕事を仕上げることで、初めて品質の高い織物が生まれるのです。これから数回にわたって、播州の地区において、どのように糸が生地に仕上がっていくのかをあらためて紹介していこうと思います。次回は引き続き、染色の現場で行われている仕事についてお話ししていきます。

hatsutoki books vol.3[Lartigue’s Riviera]

2016.06.13

アマチュア写真家ジャック=アンリ・ラルティーグの写真集。リヴィエラという、地中海沿岸のリゾート地でくつろぐ人々の夏のバカンス風景を捉えたものです。時間の紐がほどけたようにのびやかな生活は、地中海の夏の日射しが肌を照らす感触や、海から上がって風にあたる心地よさをふと想像してしまいます。

ラルティーグは多くの恋愛をし、3度の結婚をしました。この作品集にも当時の妻が写りこんでおり、彼女のふとした表情はとても女性らしく親密で、彼らの幸せな日々が伝わってきます。

彼は11才の頃に初めて訪れてからリヴィエラの地に魅了され生涯かけて足を運び、ゆたかな人々の暮らしを撮り続けていました。ページをめくるだけで地中海を優雅に旅しているような気分になる一冊です。

蛍の季節

2016.06.07

5月の後半から、6月の前半梅雨に入るまで、西脇では蛍が毎年沢山見られるのです。写真も市内のとある水路の一つなのですが数年前に見つけた隠れ蛍スポットなのです。家から徒歩3分、地元の人がちらほら見に来るくらいなのでとても静かです。

言葉もなくただぼうっとしていつまでも見ていられます。自然に身を任せるような時間はとても心地よく、忙しい時でも心をフラットな状態に戻してくれます。この景色を見るだけで西脇に来てよかったと思えるほど美しい夏の景色の一つなのです。

_murata

泥染めポプリンワンピース

2016.05.29

力強い大地の色、奄美大島の泥染めで美しく染められたワンピースをご紹介します。奄美大島の泥染めの歴史は約1300年ほど前に始まったとされています。その色は、島に自生するテーチ木から取れるタンニンと、島の亜熱帯気候、150万年前の古代地層の影響で鉄分豊富な泥田で染め上げられています。

「泥染めポプリンワンピース」はhatsutokiの繊細なコットンを高密度に織りハリ感をもたせた生地をベースに、シャンパンゴールドの金糸でストライプの柄を作りました。更に上から泥染めすることで、程よく金糸の光沢が落ち、マットで落ち着いた表情になります。バリっとした質感に大地の力強さを感じる美しいブラウン、夏にとてもお勧めのワンピースです。

_murata


 

泥染めポプリンワンピース
¥32,000+tax
限定6着

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hatsutoki books vol.2[women’s work]

2016.05.26

今回紹介するのは[women’s work -textile art from bauhaus-]。1900年代前半、ドイツの造形学校「バウハウス」にある織物工房で活躍した、女性のしごとについて書かれています。

当時のドイツは戦争で多くの兵士を失ったために、女性がしごとを見つけ、自活していく必然性がありました。そんな時代のなか、入学を申し出た女性の多くが、絵画をはじめとした芸術分野へ関心を寄せたにも関わらず、なんとそのほとんどは無条件に織物工房へ入る以外の選択肢を与えられなかったのだそうです。

今から約100年前、ドイツでは女性がすでに社会的な自立に向かっていたことにもたくましさを感じますが、織物以外に選ぶ余地のなかった彼女たちが、それでもなお燃え尽きることのない探究心で、織りのうつくしさとその可能性を追い求めた作品には目を見張ってしまいます。今より生きていく道が限られた時代でも、いいものを生み出していこうとする姿はひたむきで潔く、すてきだなと感じる一冊です。

本藍染めポプリンワンピース

2016.05.21

『心に澄み渡るような美しい色に出会うためには、果てしなく同じ作業の繰り返し。真面目に藍と向き合ったとき初めてその姿を見せてくれます。』*

この美しい藍色に出会った時、とても心動かされた事を覚えています。深く、どこか懐かしく、吸い込まれるような魅力のある色でした。

このワンピースはかつて江戸時代に栄えた藍染めの染色技法によって染められています。一年の歳月を掛けて職人の手により作られた「蒅(すくも)」と呼ばれる藍染めの染料。すべてが自然から生まれ、自然に帰る染料です。効率を重視した色素のみを生成する合成藍、いわゆる「インディゴ」とは異なり天然藍染めは果てしなく手間のかかる染色技法でもあります。

何度も色を重ね深みを出した藍色。その後色がでなくなるまで4日間掛けて洗いと天日干しを繰り返します。私たちは「藍染め=色落ちするもの」と常識の様に思っていたことが、実は全くの逆なのです。「本当の藍染めは色落ちしない」のです。

hatsutokiの天然藍染めポプリンワンピースは、金糸を織り込んだ高密度のテキスタイルをベースに染めて頂きました。きっと心を動かされると思います。是非手にとって見て頂きたいと思います。

_murata

 

本藍染めポプリンワンピース
¥32,000+tax

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*藍染工房壺草苑のHPより

東京の西の果て 青梅
都会の喧噪とはかけ離れたこの町で
日々 自然の呼吸を感じ その営みに感謝しつつ
藍染に精を尽くしています

かつて 海の向こうの人々に“ジャパンブルー”と言わしめ
驚きと感動をもたらした藍の色
もう一度 その美しさを世の中に広めるために

古人の知恵と努力を受け継ぎながらも
現代の息を吹き込み
人々の生活を美しくするためのものづくり
それが壺草苑の目指している姿です

 

hatsutoki books vol.1[暮らしの手帖]

2016.05.19

本を読むことは、よく旅に例えられることがありますよね。読書を通して考えが整ったり、新しい価値観に出会ったり。ものづくりのヒントになることもしばしばあります。hatsutokiのスタッフが影響を受けた、お気に入りの本を今日から少しずつ紹介していきたいと思います。

一冊目は、昭和35年5月に発行された[暮らしの手帖]。京都の古本市で見つけました。 今から50年以上も前に出されたものですが、料理のレシピ、生活の知恵、解決したい悩み事はふしぎと今も、ごく身近に感じます。

編集者が自ら、「そもそも」思うことをとことん考え抜く記事は、日々工夫を重ねていくことで、ゆたかさに出会えることを教えてくれました。『いったい、よいふきんとは、どんなものなのか』。それは日々のちょっとした物事に過ぎないですが、たしかに日常のなかに存在すること。ささいな一つひとつが自分の暮らしとなって、生き方になっているんだとふと思ってしまいました。

オオデマリ

2016.05.17

家の前に植わっているオオデマリの木。毎年5月の初めに満開になるのが西脇生活の密かな楽しみの一つです。いつも不思議に思うのですが、本当に測ったように5月の連休の時に満開になるのです。もしカレンダーがなかったとしても、5月を正確に知らせてくれそうです。そして一週目の終わりには散ってしまいます。

山は、若葉色からすっかりと緑色に。夜、川沿いを通ったら少々フライイング気味のホタルも少し飛んでました。そして、もうすぐ田植えの季節、水が張られるとカエルが一斉に鳴き出すはずです。そうしたらいよいよ夏はすぐそこです。

_murata