花と時間

2018.04.01

西脇では今週桜が満開です。すっかり春らしい気候になって、桜だけではなく家の庭や河川敷、近所の山では至る所で一斉に椿や雪柳、花桃など様々な花が咲き始めました。庭で良い形の枝を見つけては少しだけ切り、家の食卓や事務所の窓際に生けます。凄い速さで過ぎていく年度末の忙しい時期も、花の周りは不思議とゆっくりとした時間に包まれていて、早くなり過ぎている私達の時計を元に戻してくれるのです。

「生け花」と言うのも良く出来た言葉だなあと思いました。切ってしまうのだから、むしろ殺している筈なのに……。人の自分勝手な解釈なのかもしれませんが、切り花が水を得て綺麗に咲き私達を楽しませてくれるのを見ていると「生ける」という言葉の感覚が腑に落ちてくるのです。

 


 

ピンクの優しいカラーのアイテムが公開されています。春がいっそう楽しくなりそうです。是非ご覧ください。

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>>ランダムストライプシャツ

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>>[ONLINE限定]ダブルフェイススカーフ

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>>KIKKOU no.75 pair pierce

春夏のPOP-UP STORE情報を更新しました。

2018.03.14

今年の春夏に開催するPOP-UPイベント情報をアップしました。だんだんと暖かくなっていているこの頃、四月からの日和は、hatsutokiの服を着るのにぴったりの時期になりそうです。7月のコトバトフクでのイベントでは、春夏のアイテムに加えて、一足早く秋冬のアイテムを一般のお客様向けにお披露目する受注会も同時に開催する予定です。お店で、このような催しを行わせていただくのは初めて。今からとても楽しみです。

期間限定のお店は、普段お店を持たない私たちにとって、お客様に直接お手にとってご覧いただける特別な場。皆様にご覧いただけるのを心から楽しみにしております。ぜひお越しくださいませ。

>>イベント情報はこちら

アレンジワインダー

2018.03.09

抽象画のようですが、これは経糸のつなぎ目。アレンジワインダーという経糸をつなぐ技術を使っています。もとは大量生産が主流だった時代、次の経糸を載せ替える時間が惜しいほど機場が忙しく回っていたので、その手間を減らそうと複数の縞模様の経糸を一つのビームに整経して巻いたのがこの技術の始まりでした。

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これからの時代は小ロット生産にも対応できるようにと、再び着目され始めています。先染め織物の産地としてこれからもつくり続けるのには、必要な技術なのかもしれません。そして、この方法によってこれまでにはなかった織物が作れる時がくるかもしれない、と思うと胸が踊ります。

有松絞り

2018.02.21

先日、愛知県の有松へ行きました。東海道の通り道であるこの町は、かつて茶屋町として栄えた時の趣が今も感じられるような美しい家並みが続くところでした。家々の軒先には「ありまつ」の文字。よく見ると、絞りがほどこされて染められたものです。

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この地は江戸時代の初期から絞りの産地として栄えてきました。旅人が故郷への土産にと絞りの手拭、浴衣などを買い求め、これが街道一の名産物となったのです。人の手で行われる独特の染め具合が美しい絞りは、今も職人さんによって受け継がれています。上にある、斑点模様のようなものが写った写真は、絞りをどこにほどこしていくか目印を付けた「絵刷り」をされた状態のもの。この絵のための型作りから、昔から職人さんが一つずつの点を手で打って作っていました。

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それを次に、一つずつ手作業で絞っていきます。私の祖母は愛知の生まれなのですが、実は幼い頃にこの仕事をしていたのだそうです。それを知ったのは、本当につい最近でした。生活に必要なお金を稼ぐために、祖母のほかにも十歳前後の女の子や、お年寄りの女性がみんなでこの絞りの作業をして働いていたのだそうです。この時、現場にいらして技を見せてくださった方も、この道50年以上の方でした。

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絞りというと、表の括られた状態はよくみますが、これは裏側。絞られた表情も美しく感じます。この状態のものを染液に浸けて、生地を染めていきます。最後に、括られた部分を解くことで染め分けられた部分が出てきて、きれいな模様が現れるのです。

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伝統の絞り技法は100種類にも及ぶのだそうで、ここ有松とお隣の鳴海では日本の生産量の90%以上を占めています。今もなお多様な種類の手法が職人さんによって編み出されています。一つひとつの模様の偶発性と高い技術から生まれた、独特の染め上がりに思わず息を飲んでしまいました。そして西脇と同様、有松の産地でも若いデザイナーたちが古くからの技術を今に伝えようとものづくりをして暮らしていました。新鮮な視点からアイデアを生み、時代の流れに沿ったデザインをすることで、自分たちもものづくりをしていきたいとあらためて感じました。

EVERYTHING FROM JAPAN

2018.02.20

EVERYTHING FROM.JPというサイトにて、hatsutokiの商品をご購入いただけるようになりました。これまではご対応できなかった国外の配送が可能になります。日本の良いアイテムを販売するこのサイトでは、ファッションの分野のみならず、様々なジャンルのモノづくりが丁寧に紹介されています。hatsutokiでは、定番で扱っているラインナップをご紹介!春に着たい洋服もこの度、追加いたしました。海外にお住まいの方や贈り物にも、ぜひご活用くださいませ。

We had started to sell our products on EVERYTHING FROM.JP. This site is an international online shopping site. Both customers living inside or outside Japan can shop on this site. Products can be delivered to the whole Japan and over 120 countries. We just uploaded our spring items on this website. Please check it out!

レザーベルトが登場しました。

2018.02.19

hatsutokiオリジナルのベルトがオンラインストアに登場しました。植物性の「タンニン」で鞣された、コシと厚みのあるレザーで作られたベルトは、無骨なイメージのヌメ革を女性でも付けやすいデザインで仕立てました。レザーの色をそのままにしているので、使い込むほどに飴色に焼けて、味がでてきます。

どんな装いとも合わせやすいシンプルなデザインは、日常で使いやすい一点です。ぜひチェックしてみてくださいね。

>>商品ページはこちら

hatsutoki books vol.29 [AIM ISSUE 14 BOJAGI ボジャギ ]

2018.02.18

韓国のボジャギという布をご存知ですか。ポジャギの歴史やその種類、現代の作家によって作られるポジャギをたどったムックブック[AIM ISSUE 14 POJAGI]をご紹介します。

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ポジャギは風呂敷を意味するもので、大きく分けて宮廷で使われていた[グンボ]、庶民の間で使われていた[ミンボ]に分けられます。そして、これとは別に構造の側面から区分されており、裏地のない[ホッボ]、裏と表の二重構造の[ギョッボ]、二重の中に綿が詰められた[ソンボ]刺し子が施された[ヌビボ]などがあります。ポジャギと聞くと、布を繋ぎ合わせて作られたものを想像しますが、これは[ジョガッボ]と呼ばれるものなのだそう。ポジャギの素材や模様、大きさから生活や地位などの文化をも窺い知ることができるのです。

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韓服は、仕立てる時に曲線を描くように裁断するのだそうで、そこで必ず出てしまう端切れを使ったりしていたのではないかと書かれていました。布と服に携わっていると、端切れの一つ一つが愛おしく感じますが、ジョガッボを作った女性たちも同じような心地だったのかなと思います。名もない人々が、こんなにも美しいものを残していたと思うと、日々ひと時ずつなんでもない日常を大切に過ごしていきたいなと感じました。

instagram #hatsutokibooks

シルクの歴史

2018.02.14

シルクは、綿と同じくらいに私たちにとって身近な素材。先日シルクを扱う糸屋さんにお会いし、その歴史をあらためてうかがいました。

そもそも、人々の間でシルクが使われはじめたのはおよそ5000年から6000年前の中国からといわれています。野生の蚕の繭を集め、糸をつむぎだして絹織物を作ったのがはじまり。その後、蚕を家の中で飼育し、効率的にシルクの生産ができるように改良が重ねられて、現在の家蚕になったと考えられています。

日本にはシルクロードができるより前の弥生時代のから、独自の養蚕・製糸・染色技術が存在していました。その後も中国大陸や朝鮮半島からの渡来人によって、中国の蚕種や先進的な技術が持ち込まれ、日本各地で独自の発展を遂げて、多様な絹産地が形成されました。

お話の中で興味深かったことの一つは、今のような工業生産が可能になったきっかけが、今よりはるかに昔の江戸時代だったということ。当時、ヨーロッパで蚕の病気が流行し絹織物の産業が壊滅状態に陥ったことから、ヨーロッパ諸国は洋式製糸器械を日本をはじめとしたアジアの国々に伝え、生糸を輸入するようになりました。1862年には日本の輸出品の86%が生糸と蚕種になるまでに成長。それ以降、1900年半ばにかけて絹織物の生産は日本の主要産業に発展していったのです。

しかし、現在の国内のシルクの生産量は昨年で約18t、それに比べて世界一の生産を誇る中国は7000t。その中国でも年々生産量が減り、シルクの値段は高くなっているのだそうです。ゆくゆくは中国もシルクの輸入国となるだろうと糸屋さんは話されていました。

同じか、それ以上の技術があったとしても、複数の要素が関わり合って、産業が場所を常に横断していく。長い時間軸でシルクの歴史をあらためて捉えていると、それは綿織物ではどうだろうかと考えざるを得ません。同じような動きは綿においてもいえることですが、抗えないこの時代の流れの中で、唯一無二のものを作っていくことしか道はないのではないかと思いました。私たちだからこそ作れるものとはなんだろうか、これからも日々学び、考えながら作り続けたいと感じたときでした。

春の贈り物、集めました。

2018.02.09

この頃、たまに小春日和の陽気を感じる時が増えました。カレンダーを眺めれば、もうすぐ2月も半ば。春が待ち遠しくなっていませんか?着たい洋服、住みたい部屋、新しいアクセサリー。ちょっとした装いを変えて、季節が変わるのを楽しみに待ってみたいと思い、春に欲しい、贈りたいアイテムを集めてみました。

>>[春の贈り物]商品ページ

カラーやアイテムで厳選して、メンズの方にもおすすめをセレクトしています。これから春にかけて、またアイテムがちょっとずつ入荷します。ぜひチェックしてみてくださいね!

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>>[メンズギフト]商品ページ

経通し屋さん

2018.02.08

播州織の産地では、生産性を上げるために古くから分業によって織物が作られてきました。経(へ)通しという工程は、経糸を機械にかける一番手前で行われる工程で、今も人の手作業が必要とされている工程です。何千本もの糸を一本一本扱いながら、経糸の準備をしていきます。(経通しの工程については、こちらを読んでみてください。)

機屋さんと同様、経通し屋さんも家内工業と呼ばれる家族経営の形態で営まれているところが多く、こちらの工場も家族3名で行われています。うかがった時は、夜の9時前後。まだ、娘さんがコツコツとお一人で仕事をされていました。

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ドロッパー、綜絖、筬と三段階に分けて糸を通していき、綜絖の通し方はその織物の組織によって通す順序が不規則に変わっていきます。集中力と根気がいる作業ですが、職人さんは自分のペースで仕事ができるのがいいところだと話されていました。娘さんによれば、お母様は朝方早くからもっと夜更けまで長時間働かれているのだそうです。

産地に入ってものづくりの現場で感じるのは、街にあるような大きな企業の中での働き方との様々なちがい。当たり前のことですが、職人さんにとっては家は仕事場であり、仕事が生活と近くに寄り添っています。時に昼夜の区別がないくらい、工場を動かし続けなければいけないこともあります。そんな仕事を見ると、職人さんの身体が心配にもなりますし、なぜこんな働き方をしなければならないのだろうかとふと疑問を持つときすらあります。

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でも、おそらくどちらかといえば、こういう働き方のほうがより昔から伝えられてきた生活のリズムなのだとも最近思うようになりました。いくつになっても働くことができて家族や近しい人とゆるやかなつながりの中で働くということ。ものづくり産業全体が今、過渡期にある中で隔たる壁も沢山ありますが、人とのつながり方や価値観、仕事の仕方、暮らし方などあらゆる面で気づくことが沢山ある日々です。