立秋

2019.08.18

カレンダーを見るともう立秋とあり、立秋を過ぎるとひぐらしが鳴き始め、夜は仄かに涼しくなる、と書き添えられている。本当にその通りだと先人の観察の細やかさに感心します。

空には秋の雲が出始める、という情報もありましたが、それはなかなか上級者でないと難しく私にはまだ見分けることができずにいます。しかし目や、耳、鼻、肌で感じることが出来る”何か”は、秋の訪れを間違いなく察知しています。言葉には出来ない、移り変わりの気配を楽しんでいます。

 


少しづつ秋物が入荷してきています。ぜひオンラインストアも覗いて見てください。
お盆の休み明けからは、少しづつ新作も登場いたします。
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イベント情報

技術と心

2019.07.03

少し前に、私達にしか出来ないものづくりとは何なのかという話になりました(WEBメディアの取材の中での話だったと思います)。ものづくりにおいて、絶対に他では出来ないと言い切ってしまうのは、しばしば乱暴だなと思うときがあって、なかなか難しい問題です。西脇の技術は高く、確かに簡単には真似できないこともあるかと思いますが、絶対に他で出来ないか?と言ったらわかりません。

このような話が、技術の事だけに偏ってしまうのは良くない傾向です。ものを生み出す、ある人の仕事は技術と心(精神、その仕事に取り組むためのモチベーション)からなっています。どちらか一つが欠けてしまっては本当に世の中にとって必要なもの、人の役にたつものは生まれません。hatsutokiのものづくりは、この土地の空気や文化、精神と技術が一番良い状態で組み合わさったものを生み出したいと考えています。

西脇の人々の布づくりにおいての精神は、産地の成り立ちや、この地域の風土とも深くつながっているので、他の産地や、海外のそれとはやはり違うこの土地独特のものであるはずです。それは「クオリティ」に関しての考え方であったり、「経済性」と「ものづくり」のバランスのとり方であったり。

私達は、時代の中の価値観の変化を感じ取り、技術と心のあるべき姿を探りながら、領域を広げながら、押したり引いたり伸ばしたり、手探りですが地道に、ものづくりのあり方を模索できればと考えています。

 

 

こぼれ落ちる光

2019.05.21

木陰を風が吹き抜け、見上げると、重なり合った枝葉が揺れ、隙間から空が覗く。

初夏。若く力の有り余った日の光は溢れぽろぽろと空間に線を描きながらこぼれ落ちる。

地面に到達すると光と影が、揺れては重なる映像美のような光景が映し出される。

新鮮な緑の葉がこすれる音と鳥の鳴き声だけが聞こえる空間の記憶。

 


 
この記憶がレンズを通してフィルムに光が焼き付くのと同時に記憶に焼き付いたものなのか、もっと以前の、子供の頃の記憶が掘り返されたものなのか。頭の中にあったこぼれ落ちる光のイメージを元に木漏れ日の生地を描きました。
この写真は丁度一年ほど前に、北海道で撮ったものだったか。フィルムなので正確な日はわからなくなってしまったのだけど、白樺が写っているところを見ると、西脇の森ではなさそうです。

こんな空間に寝転がって、何時間でも過ごしていたい。ウェアは肩肘はらず、リラックスしたものに。シワが付いても、多少汚れても平気で洗える。そんなデザインにしました。

 

 


[木漏れ日 キャミソール] ¥16,000+tax
 


[木漏れ日 フレンチスリーブシャツ] ¥24,000+tax

 


[木漏れ日 ライトパンツ] ¥27,000+tax

 

2019.05.05

ひやりとした空気の中に、生温い風がほのかに混ざり、夏の気配を感じる。

紺色の空に、絵の具が滲む様に緋色や薄い桃色が混ざり、その面積が段々と広がる。混ざり方は、その時、その瞬間だけの色。

目を奪う様な朝焼けに、思いがけず立ち会うことはあっても、それをタイミングよく記録する事は中々出来ない。車から飛び降りて助手席に置いていた古いフィルムカメラで数枚撮影。1、2分の間くらいだろうか。次の瞬間にはもう、色の絶妙な調和は崩れていた。

ハル

2019.04.11

春の存在は木々や風や鳥が、いつも教えてくれる。蕾が限界まで膨らみ、一斉に芽が吹き出す。山のすべての蕾が一斉に吹き出すものだから、錆びたような褐色の景色に突然色がつく。風が、あの冬の鋭い風が、優しく柔らかくなる。鳥が、長い間沈黙していた鳥が騒ぎはじめる。

ハルは3月28日生まれの祖母の名前。季節をそのまま名前にするなんて、とても素敵だと思った。きっと木々の芽が出て、風は優しく、鳥が鳴くような、心地よい日和だったのだ。
 


 
こころ踊る春の日和に合わせて、新しいウェアやストールが並びました。
是非御覧ください。

オンラインストア

春夏のイベント

はじまりの日

2019.01.04

太陽は何万年と同じ軌道を描き
今日も夜の黒を追いやった。

海や山や大地に朝の光が滲み始める。
鳥や虫や動物が眩しさで目覚めた。
はじまりの朝。同じで新しい朝。

今日を大切にしよう決意した。

 


 

あけましておめでとうございます。
私達のものづくりが皆様の生活に瑞々しい彩りを、
作り手にはその手から物が生まれる新鮮な喜びを。

太陽が夜を退け、大地を温めるように、
満月が引力で、海を満たすように、
私達の日々の仕事が、
そんな尊い瞬間を増やせるよう、
ものづくりと向き合って参ります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
健やかな一年になりますように。

hatsutoki

 

夜の小旅行

2018.12.19

冬の夜はとても静かだ。
虫や蛙がすっかり姿を消してしまい、
庭はしん と静まり返っている。
冷え切った縁側に腰を下ろし、
夜の空気を纏い想像の旅に出る。

やがて耳が冴えて来ると、
どこか遠くで車が走る音が聞こえてくる。
庭の木の実が落ちる音、
木の葉が風で擦れる音にも気がつく。
時々、猫や獣の鳴き声が聞こえてくる。

澄んだ空には星がはっきりと見える。
明るい星から塵の様な細かい星まで。
満月が出ていれば、その明るさに驚く。
庭の草木の見分けがつくし、山も見える。
乾燥した透明な空気の感触がどこか懐かしい。

身体が冷え切る寸前に部屋に戻りほっとする。
小旅行はここで終わり。
明るい部屋、あたたかい空気、灯油のにおい。
久しぶりに実家に帰ったときのような、
あの安堵を思い出した。

 


 

12月になり、すっかり冷え込んで来ましたね。家でくつろぐ時間や、ホリデーギフトにもおすすめのものが並んでいます。今年はhatsutokiがセレクトする商品を新たに取り扱う様になったりと、オンラインストアの活動が広がりました。どうぞご覧ください。


[ハツトキのクッション]


[オーガニックのリップバーム]


[シルクのインナー]


[ハツトキのマフラー]

小春

2018.12.03

今年もあっという間に過ぎて、ついに十二月になりました。暦では、もう冬を感じてもいい頃なのですが、冬の始まりに暖かい日をたとえる「小春」ということばが似合う、今日の西脇はほのかにぬくもりも感じる陽気でした。

昔ながらの日本家屋に住んでいるのですが、実は家のほうがよく冷え込みます。灯油ストーブを点火させると、灯油のにおいがツンと香って、それもどこか冬の訪れを感じさせるのでうれしくなります。それでもそろそろ、真冬に向けたコートをおろすときかもしれません。年末にむけて、忙しい方も、体を大切になさってくださいね。

[KOHARU(コハル)]という名前のついたシルクの糸で編み上げたリブタートルネック。あたたかで、やさしくて、なんだか名前とぴったりだなと思いました。インナーとしても役立つアイテム。ぜひチェックしてみてくださいね。

    [KOHARU ふわふわシルクリブタートルネック] 詳細を見る

錦秋

2018.11.16

赤や黄色、まだ染まりきらない緑色など多彩に色づく風景を、私たちは幼い頃から見慣れていますが、実は日本ならではの光景なのだそうです。落葉する広葉樹が海外の国々の平均的な数の約二倍も種類があることから、木によってちがった色にそれぞれ変化して、美しいすがたを見せてくれるのだといいます。時間を遡ると、氷河期のさなかでも日本は黒潮という暖流のおかげで木々が生き残ったのだそうで、その命が今まで連綿と受け継がれてきたからだ……と、ここまで書いて、想像をはるかに超えた時間軸に、少し気が遠くなる心地です。私たちの身の回りにある自然の景色は、何千年も、何百万年も昔から変わっていないなんて、当たり前のようですごく不思議に感じますね。

ところで、錦秋ということばは「錦織」という織物の華麗で雅な表情をたとえて、秋の景色をたたえたもの。錦織は京都の西陣織が有名ですが、刺繍や後染めの技法を使わずに、多彩な先染めの絹糸や金銀糸を用いて、自然をモチーフにした文様を織りだした絹織物のことを指します。昔は日本に限らず、部族や階級によって装いを区別し、それぞれの錦織の文様があったのだそうです。多様な価値観や、階級などがなくなりつつある世界で過ごす現代の私たちですが、今もなおうつくしい服や、うつくしいものには本能的に惹かれてしまいます。装飾への永遠のあこがれのようなものが、結局は、その飾りのインスピレーションとなる自然へのあこがれのようなものに繋がるのかしらと、ふと思ってしまいました。


hatsutokiが拠点とする兵庫県西脇市も、自然に囲まれたうつくしいところです。今季のテキスタイルは、秋から咲く金木犀がモチーフとなっています。



[ドビーチェックワンピース]

他にも、紅葉を思い出させてくれそうな、あたたかいカラーのアイテムが登場しています。



[コットンギャバジンワイドパンツ]


[バイカラーウールマフラー]

日に日に、寒くなっていきますね。あたたかくして、お過ごしください。

神無月

2018.10.31

十月が今日で終わりますね。今年は秋が長いように感じます。寒さとともに秋がいっそう深まっていく移ろいを、あと少しのあいだ感じられると思うとなんだかうれしくなりました。神無月とは、日本の暦で十月のことを指しますが、これは旧暦での呼び名なので実はこれからの一ヶ月のことをいいます。

神無月の語源を辿れば色々な説がありますが、もっとも有名なのは、日本中の神様が出雲大社に集う季節なので、神様が出かけていなくなることからつけられたという説。身の回りの風景や季節の変化からつけられたほかの月の暦とはかわって、いきなり神さまにまつわることを呼び名としてるので、すなおに昔の日本人の感覚とはおもしろいなと思います。

幼い頃、新潟の大きな社で一年に一回開かれるお祭りに行ったことがあります。本当かどうかは、私は今もわかりませんが、神無月に入る十一月はじめのとある夜、出雲へ移動する前に日本中の神さまが集うと信じられているお祭りでした。参拝客が集まって、真夜中の神社の空の下、願い事とともにろうそくを立てていて、あたりを見回すとろうそくの火が連なって、(文字どおり)火の海のような景色。異様でふしぎな光景に、ただ圧倒されていたのをいまだに覚えています。

神無月ときくと、二十年以上経った今でも、そのときの景色がふと頭に浮かびます。キンと冷える夜、火にあたると暖かくてうれしくなる、素朴な感覚も思い出したり。


冷え込みが増す季節。首もとから、体をあっためてくださいね。今年も、オリジナルのマフラーが登場しています。



[カシミアパネルマフラー]
¥22,000+tax



[バイカラーウールマフラー]
¥16,000+tax

産地でものづくりにこだわって作られた、コットンの靴下もおすすめです。わたしも毎週履いていますが、安心感があって、肌触りがとてもいいです。



[NISHIGUCHI KUTSUSHITAのソックス]
¥1,000~ +tax

近々、セレクトもあたらしくおすすめしたいものが登場するかも。今月も、こまめにチェックしてみてくださいね。