夏の風

2020.06.04

青い空に入道雲
若々しい緑の森を
吹き抜ける風

しんとした夜
深い紺色の空の下
遠くの街の音を運ぶ
夏の夜風

風は運ぶ
高気圧から低気圧へ
季節と、匂いを
人が生まれる遙か前から

 


暑い夏、青空に白い雲と、笹の葉を揺らす風の心地よさ。目を瞑ってそんな瞬間を思い出しながら描いたのが”summer wind”の生地でした。

オイルパステルで、サッ、サッ、サッ、と一筆書きで描いています。勢いよく描くことで、風の流れと潔さを表現したかったからです。

また大きな柄は、それだけで力強く、私達を楽しませてくれます。夏の暑い日にも心地よく使っていただける様な、サラリとした素材感を意識したストール、傘は防水加工とUVカットを施して晴雨兼用に展開しています。是非、御覧くださいませ。

summer wind シリーズ

生姜色の世界

2020.04.18

砂埃のまう中を
蒸し返る暑さの中を
草原に地雷があることを知りながら
たくましく生きるあなたの世界

毎晩星はこぼれ落ち、
毎日夕日は空を染め、
石の像は何百年もそこで
じっと人々を見守っている

生姜色の世界
あなたが大人になって
おばあさんになっても
美しくありますように

 

 

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もう5年ほど前だったか、これはカンボジアの田舎町を訪れた時の写真です。乾いた砂の色が、脳裏に焼きついていて、「旅」の想像を膨らませた時に、一番最初に浮かんだ色がこの生姜色でした。たくましく生きる子供達の笑顔もとても印象に残っていました。
記憶の中の旅の色、ジンジャーカラーは今季のコレクションのシャツやストール、ワンピースなど様々なところに登場しています。
色から感じる、自由な風を、あなたの旅の記憶を、またいつか旅に出ることができる日を願いながら、思い出していただけたら嬉しいです。

 

–ジンジャーカラー展開アイテム–

traveller ユニセックスシャツ 

traveller ノースリーブシャツ

w-face ストール

twill キモノスリーブトップス

twill ワンピース

砂浜の銀河

2020.04.08

“地球上の全ての砂粒より
宇宙の星の数の方が多い”

ぼくはなんて小さな世界に生きているのだろうと思った

でも、ぼくは砂粒と星の違いについて説明できない

貝と石ころが風と波の法則で浜辺に銀河を作る

でも、夜空の銀河との違いについても説明できない

 

大切なことは説明できない

朝の海岸を歩く穏やかな気持ちや

流れ星を待つ寒い時間も

手料理のおいしさや

庭で見つけた小さな野花の美しさも

 

 

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sandyと名付けたテキスタイルは、乾いた砂浜に寝転がった時の、肌に触れるザラッとした質感。浜辺に吹き抜ける、潮風の爽やかさ。そんな瞬間をテクスチャーの表現に込めました。

 

ボトムはユニセックスサイズ。羽織のドレスコートはワンピースの様に軽やかに仕立てました。
→sandyシリーズはこちらから

2020.03.28

わたしは今日、旅に出ます
飛行機にのって、船にのって

知らない世界を見てきます
食べたことの無い物を食べてきます
会ったことのない人と出会い
故郷のことについて話します

切符の買い方さえわからないし
クロワッサンの美味しさも知らない
崩れた遺跡のわけも
悲しい歴史もわたしは知らない

開かれた心と目と耳と鼻と
身体全部で旅をして
少し大人になって
帰ってこようと思います

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“Traveller”をテーマに制作した2020年春夏のシーズンがスタートしています。旅でみた景色や、感じたインスピレーションを元に色柄やデザインを発想。テキスタイルから設計した心地いウェアが並びました。

とても大変な時ですが、気兼ねなく好きな服をきて出かけることができる日のために、心躍るような時間を少しでも皆様にお届けできればと願っています。

朝のタイムマシン

2020.02.02

キリキリとした冬の朝にやわらかい山の影
いつも見ている山がこんな形だったなんて知らなかった。
朝焼けの光に山も、川も、
街の家も車も全てが包み込まれて現れた、
影と、オレンジ色の世界。シンプルな。
100年前と変わらない。5分間のタイムスリップ。

夜があけて

2019.12.23

一年でもっとも長い夜があけて、
霜に当たる光とサザンカの花が美しい朝の庭。

夜が長いほど、夜明けの喜びは大きい。
冬が寒いほど、ほうれん草の葉は甘い。

世界のバランスはそうやって保たれているのかもしれない。
それなら長い夜をどうやって楽しもうか。
温かいスープでもつくろうかな。

雑草

2019.10.17

草刈りをサボってしばらく放置していた家の庭に夕方に西日が差し込んで、満開の(?)ネコジャラシを黄金色に染めていました。美しい景色をみて、ふとネコジャラシの存在が気になりました。

知っているようで知らなかった「ネコジャラシ」。改めてへんな名前だなぁと思いつつ調べてみました。Wikipedia によると犬の尾に似ている事からエノコログサ(犬っころ草)と呼ばれたり呼び名は色々ある。植物としてはイネ科だそうで、粟とかなり近いものらしい。だから秋にこうべを垂れる様に実り、食べる事も出来る。アワ作と共に伝来し、縄文時代以前は自生していなかったらしい。

ネコジャラシは雑草だと思っていたが、雑草という言葉は面白い。ネコジャラシをここまで知ってしまうと、もはや雑草ではなくなってしまうのだから。ものごとは、見方や考え方ひとつで無価値なものにも、美しいものにもなる。出来るだけ美しいものが沢山ある世界に生きていたい。

 


 

秋らしくなり、新作の洋服も沢山入荷しています。こんな景色を日々感じながらテキスタイルをデザインして、その土地らしい、収穫物のような物作りが出来たらと思っています。是非そちらも覗いてみてください。

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記憶

2019.10.01

記憶は、色や、匂いや、触感と結びついてる。それに触れた途端にふと遠い昔の埋もれていた景色が蘇る。

夕焼けの空の色や、紅葉の山、海の青。雨の匂い、畳の匂い、金木犀の匂い。結露したグラスの冷たさ、霜柱を踏んだ感触、木綿の布団の心地よさ。

そういった、記憶の断片をテキスタイルに込めて、誰かの記憶の中に入り込み、なにか大切な感情を思い出すようなものを作って行きたい。

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誰しもが記憶の中にあるような景色を素材に落とし込んで服を作れたら、そのものを手にしたとき、ふと懐かしい感情や優しい気持ちが湧いてくる。ものも大切に使おうと思える。

秋冬のテキスタイルにも幾つかそんな思いで作った代表的な素材があります。”grandma“や”pottery tiles“、”cosmos“など、記事の色、柄、質感。糸の表情と景色を重ねてデザインしました。リンク先のオンラインページで紹介していますので是非ページも覗いて見てください。

立秋

2019.08.18

カレンダーを見るともう立秋とあり、立秋を過ぎるとひぐらしが鳴き始め、夜は仄かに涼しくなる、と書き添えられている。本当にその通りだと先人の観察の細やかさに感心します。

空には秋の雲が出始める、という情報もありましたが、それはなかなか上級者でないと難しく私にはまだ見分けることができずにいます。しかし目や、耳、鼻、肌で感じることが出来る”何か”は、秋の訪れを間違いなく察知しています。言葉には出来ない、移り変わりの気配を楽しんでいます。

 


少しづつ秋物が入荷してきています。ぜひオンラインストアも覗いて見てください。
お盆の休み明けからは、少しづつ新作も登場いたします。
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イベント情報

技術と心

2019.07.03

少し前に、私達にしか出来ないものづくりとは何なのかという話になりました(WEBメディアの取材の中での話だったと思います)。ものづくりにおいて、絶対に他では出来ないと言い切ってしまうのは、しばしば乱暴だなと思うときがあって、なかなか難しい問題です。西脇の技術は高く、確かに簡単には真似できないこともあるかと思いますが、絶対に他で出来ないか?と言ったらわかりません。

このような話が、技術の事だけに偏ってしまうのは良くない傾向です。ものを生み出す、ある人の仕事は技術と心(精神、その仕事に取り組むためのモチベーション)からなっています。どちらか一つが欠けてしまっては本当に世の中にとって必要なもの、人の役にたつものは生まれません。hatsutokiのものづくりは、この土地の空気や文化、精神と技術が一番良い状態で組み合わさったものを生み出したいと考えています。

西脇の人々の布づくりにおいての精神は、産地の成り立ちや、この地域の風土とも深くつながっているので、他の産地や、海外のそれとはやはり違うこの土地独特のものであるはずです。それは「クオリティ」に関しての考え方であったり、「経済性」と「ものづくり」のバランスのとり方であったり。

私達は、時代の中の価値観の変化を感じ取り、技術と心のあるべき姿を探りながら、手探りですが地道に、ものづくりのあり方を模索しそれが結果としてこの土地でしか作れないものになればと考えています。