小春

2018.12.03

今年もあっという間に過ぎて、ついに十二月になりました。暦では、もう冬を感じてもいい頃なのですが、冬の始まりに暖かい日をたとえる「小春」ということばが似合う、今日の西脇はほのかにぬくもりも感じる陽気でした。

昔ながらの日本家屋に住んでいるのですが、実は家のほうがよく冷え込みます。灯油ストーブを点火させると、灯油のにおいがツンと香って、それもどこか冬の訪れを感じさせるのでうれしくなります。それでもそろそろ、真冬に向けたコートをおろすときかもしれません。年末にむけて、忙しい方も、体を大切になさってくださいね。

[KOHARU(コハル)]という名前のついたシルクの糸で編み上げたリブタートルネック。あたたかで、やさしくて、なんだか名前とぴったりだなと思いました。インナーとしても役立つアイテム。ぜひチェックしてみてくださいね。

    [KOHARU ふわふわシルクリブタートルネック] 詳細を見る

錦秋

2018.11.16

赤や黄色、まだ染まりきらない緑色など多彩に色づく風景を、私たちは幼い頃から見慣れていますが、実は日本ならではの光景なのだそうです。落葉する広葉樹が海外の国々の平均的な数の約二倍も種類があることから、木によってちがった色にそれぞれ変化して、美しいすがたを見せてくれるのだといいます。時間を遡ると、氷河期のさなかでも日本は黒潮という暖流のおかげで木々が生き残ったのだそうで、その命が今まで連綿と受け継がれてきたからだ……と、ここまで書いて、想像をはるかに超えた時間軸に、少し気が遠くなる心地です。私たちの身の回りにある自然の景色は、何千年も、何百万年も昔から変わっていないなんて、当たり前のようですごく不思議に感じますね。

ところで、錦秋ということばは「錦織」という織物の華麗で雅な表情をたとえて、秋の景色をたたえたもの。錦織は京都の西陣織が有名ですが、刺繍や後染めの技法を使わずに、多彩な先染めの絹糸や金銀糸を用いて、自然をモチーフにした文様を織りだした絹織物のことを指します。昔は日本に限らず、部族や階級によって装いを区別し、それぞれの錦織の文様があったのだそうです。多様な価値観や、階級などがなくなりつつある世界で過ごす現代の私たちですが、今もなおうつくしい服や、うつくしいものには本能的に惹かれてしまいます。装飾への永遠のあこがれのようなものが、結局は、その飾りのインスピレーションとなる自然へのあこがれのようなものに繋がるのかしらと、ふと思ってしまいました。


hatsutokiが拠点とする兵庫県西脇市も、自然に囲まれたうつくしいところです。今季のテキスタイルは、秋から咲く金木犀がモチーフとなっています。



[ドビーチェックワンピース]

他にも、紅葉を思い出させてくれそうな、あたたかいカラーのアイテムが登場しています。



[コットンギャバジンワイドパンツ]


[バイカラーウールマフラー]

日に日に、寒くなっていきますね。あたたかくして、お過ごしください。

神無月

2018.10.31

十月が今日で終わりますね。今年は秋が長いように感じます。寒さとともに秋がいっそう深まっていく移ろいを、あと少しのあいだ感じられると思うとなんだかうれしくなりました。神無月とは、日本の暦で十月のことを指しますが、これは旧暦での呼び名なので実はこれからの一ヶ月のことをいいます。

神無月の語源を辿れば色々な説がありますが、もっとも有名なのは、日本中の神様が出雲大社に集う季節なので、神様が出かけていなくなることからつけられたという説。身の回りの風景や季節の変化からつけられたほかの月の暦とはかわって、いきなり神さまにまつわることを呼び名としてるので、すなおに昔の日本人の感覚とはおもしろいなと思います。

幼い頃、新潟の大きな社で一年に一回開かれるお祭りに行ったことがあります。本当かどうかは、私は今もわかりませんが、神無月に入る十一月はじめのとある夜、出雲へ移動する前に日本中の神さまが集うと信じられているお祭りでした。参拝客が集まって、真夜中の神社の空の下、願い事とともにろうそくを立てていて、あたりを見回すとろうそくの火が連なって、(文字どおり)火の海のような景色。異様でふしぎな光景に、ただ圧倒されていたのをいまだに覚えています。

神無月ときくと、二十年以上経った今でも、そのときの景色がふと頭に浮かびます。キンと冷える夜、火にあたると暖かくてうれしくなる、素朴な感覚も思い出したり。


冷え込みが増す季節。首もとから、体をあっためてくださいね。今年も、オリジナルのマフラーが登場しています。



[カシミアパネルマフラー]
¥22,000+tax



[バイカラーウールマフラー]
¥16,000+tax

産地でものづくりにこだわって作られた、コットンの靴下もおすすめです。わたしも毎週履いていますが、安心感があって、肌触りがとてもいいです。



[NISHIGUCHI KUTSUSHITAのソックス]
¥1,000~ +tax

近々、セレクトもあたらしくおすすめしたいものが登場するかも。今月も、こまめにチェックしてみてくださいね。

夏がゆっくりと過ぎてゆく

2018.08.21

夏の終わりが近づいているようです。日中は、まだまだ残暑が厳しいですが、夜と朝の空気はすっかり変わってしまいました。エアコンの無い生活を4年ほど続けているのですが、季節を察知する肌のセンサーが研ぎ澄まされるようです。地球から見た太陽の軌道が誰にも気づかれないくらい少しづつ毎日変化していくように、ゆっくりと徐々にうつろう季節のグラデーションを感じ取るのが上手になって来ました。

この力強い雲と青空、光と影のコントラストは徐々に柔らかい輪郭に変わって行くのでしょう。子供の頃から変わらず夏の終わりはいつも少しさびしいものですね。ふと気がつけば知らぬ間に、まだ青い、柿や栗が大きくなっているのを見て夏がゆっくりと過ぎてゆくところなのだと確信しました。

 


 

今年は、梅雨明けが早く、一番暑い時期も少し早かったですね。涼しくなるのも早いのでしょうか。少しづつ、秋におすすめしたい商品が届いて来ています。秋と言うにはまだ気が早いような感じがするのですが、どうぞ先の季節の楽しみにご覧いただければと思います。

 


[チェックワンピース]

柔らかいラインで構成されたオンブレーチェックのシャツワンピース。長い丈が生地の美しさをより一層引き立ててくれます。


[ハーブティー (レモングラス)]

夜、涼しい風が吹いたら温かいお茶が飲みたくなりました。冷たいものばかり飲んでいた反動でしょうか……レモングラスと、セントワズジョンズをブレンドして飲むのがおすすめです。

もし遠い宇宙の彼方に、大きな鏡があったら

2018.07.02

生まれて始めて天の川を見ました。兵庫の北、神鍋高原。時間が止まったかのようにすら思えるほど静かで、心地よい夜でした。夜空を見ていると、わからないことだらけの宇宙についての考えがふつふつと湧いてきました。宇宙の中で私達の地球は「天の川銀河」と呼ばれる銀河の端の方に位置しているそうです。この銀河は直径10万光年の広さを持ち、2000億個以上の恒星があります。その中の恒星の1つである太陽の周りを楕円軌道で回る惑星の1つが地球です。その夜、私は地球の重力に任せ、地べたに寝転がり、途方もなく大きな宇宙の何万年も前の光がやっと今地球に届いたところを目撃したのです。

子供の頃に、先生が、「星の光は何万年前、何億年も前の光でそれが今やっと地球に届いているんだ」という話をしたときに、とても驚いて関心しました。そしてその夜に、この不思議な事実について、ゆっくりと考えながら、こんなことを想像したことを覚えています。……もし遠い宇宙の彼方に、大きな鏡があったら、それを地球から望遠鏡見ると、昔の地球の姿が見えるのではないか。例えば鏡の位置が1万光年離れていたら、1万年前の地球の光が鏡に反射して1万年かけて帰ってくる。つまり2万年前の地球の姿が見えるはずだ……!と、こう考えたわけです。今思い出しても、いかにもそれらしい考察ではないですか。大人になった今でもつまらない反論しかできそうにありません、宇宙に関して知っていることは、あの頃とさして変わっていなかったようでした。

 


 

関東では観測史上最も早い梅雨明けだそうですね。すっかり暑くなりました。夏におすすめしたいウェアが揃っています。是非御覧ください。

 


[影織ワンピース(ネイビー)]

夜空の様な深いネイビーのワンピース。影織のテキスタイルは一見無地の様に見えますが、不思議な模様が浮かび上がります。


[ポプリンシャツ]

上品なハリ感のあるポプリンの生地で仕立てたシャツは、夏に心地よい素材です。少し肌寒い夜や冷房の効いた部屋で羽織るにも便利なシャツです。焦げ茶とネイビーに染めた2色の糸が混ざり、絶妙な奥行きのあるシャンブレーとなりました。

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[KIKKOU ピアス]
流れ星の様な細く繊細なラインが涼しげなKIKKOUのピアス。シンプルな夏の装いを華やかにしてくれます。

草花は生き生きと

2018.06.21

今日は夏至ですね。1年でもっとも日が長い日。とはいえ季節はすっかり梅雨。洗濯物も乾かないし、湿気も多く体も重たい……。なかなか気分も晴れませんが、山に紫陽花がすごく綺麗に力強く咲いているのを見つけました。物憂げな6月も草花にとっては、とても気持ち良い季節なのかもしれません。何しろ夜がもっとも短い季節でもあるのですから。山の緑も一段と深く、生き生きと前向きに夏を待っているようで、元気を分けてもらいました。

 


 

去年の今頃、雨がしとしとしと……と降り続き、人々も少し憂鬱気味。そんなときに雨粒が連なる様子をイメージして、梅雨を楽しくしてくれる生地をになれば、と柄を考えました。一年のものづくりの歳月を経て、形が与えられた布がオンラインストアに並びました。きっと梅雨を楽しくしてくれることと思います。是非御覧ください。

 

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[雨のチュニック ]

パリッとした生地で仕立てました。湿気の多い日本の夏でも心地よく着ることが出来ます。強い生地ですので、気にせず洗濯できる、というとこも合わせて今から夏にお勧めしたいシリーズです。


[雨のドビーハンカチ]

雨をポケットに。黄色く細い糸で入れたボーダーは光のラインを表しています。水玉に光があたり光る様子を生地にしました。

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[vent de moe/扇子(雨の次の日)]
キラキラと光るラメ糸が打ち込まれた白い生地に、花や葉のコラージュが手仕事で縫い付けられています。懐かしい記憶の風景がよみがえるvent de moe とハツトキのコラボレーションによる扇子です。

奥行き

2018.05.25

空の青、海の青、遠くの霞んだ景色の中に浮かぶ山の青。自然の中にある色は、時間や気温、湿度によって変化し、様々な光が混じり合い構成されています。美しい自然の色は、それがどこか遠く懐かしい記憶を蘇らせるからでしょうか、日々のふとした瞬間に目を奪われると身体の中までじんと染み渡る静かな感動があります。

先日、東京・青梅の壺草苑さんから本藍染のシャツやワンピースが染め上がり、到着しました。この藍染の色を見るといよいよ夏だなという気持ちになり、毎年わくわくしてしまいます。この色は青でも、ネイビーでもなく、「藍色」なのだと職人さんはいいます。完全に天然の染料のみで染められた色は、とても優しく自然の循環の中にあり、そして様々な色の層が重なる奥行きのある色なのです。

本藍染ワンピース

壺草苑さんの染めは、徳島で藍の葉から作られた天然染料を使います。染料はひと夏掛けて栽培され、手で摘まれ、秋から冬かけ発酵させ、およそ300日を費やし完成します。江戸時代から続く染料の技法ですが、何しろ、てまひま掛けて作られるこの染料は大変貴重で、染料を作る職人さん自体がもう日本に指折り数える程しかいらっしゃらないと聞きます。

どうかこの美しく、静かで、人の心を穏やかにしてくれる藍色が途切れないよう、私達も大切にものづくりに向き合い、この感動を誰かに伝えて行ければと願っています。

 

*壺草苑さんの染について、詳しい内容はこちらに記載されています。染にご興味の有る方は是非ご覧ください。
>>播州織・素材のものがたり No.3 “天然藍灰汁醗酵建藍染”

 

 


 

 

オンラインストアに藍染のシリーズが入荷しております。夏の涼やかな装いにお勧めです。

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[本藍染 雨のドビーオープンカラーシャツ]

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[本藍染 雨のドビー チュニック]

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[本藍染 雨のドビー ワンピース]

 

初夏の緑

2018.05.06

五月に入り、山が青々としてきました。上を見上げると背の高い木々が風にゆさゆさと揺れていて、葉音がとても心地よく感じました。同じ音でも、川や緑から聴こえる音ってなぜこんな心地よいのでしょうね。きっと人にとっては古くからの記憶で、ずっと聴きなれている音なのだからでしょうか。



目に映ると心地よく、やさしい印象をもつやわらかなグリーンのアイテムをご紹介。初夏にぴったりの色合いを、ぜひご覧くださいませ。

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初夏らしい、淡いグリーンのテキスタイル。
ツイルオーバーブラウス


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お花のパーツをかたどったkikkouジュエリー。
KIKKOU ピアス


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しなやかな触り心地の、影織のハンカチーフ
影織 ハンカチーフ

風の色

2018.04.17

ふと家の近くの県道脇で雑木林に目に止まりました。ついこの間まで、枯れた枝と霧が立ち込める白黒の林だった筈が、朝の柔らかい光を浴びて細やかで淡い色彩で彩られていました。夏の力強い色やコントラストとはまた違う春の穏やかな色でした。

春の朝、思わず暖かいととてもほっとします。日の光は暖かく、空気の冷たさはその破片をかすかに感じるくらいで、冬はもう殆ど追いやられてしまったのが分かります。そして甘い花の香りを乗せた風は淡いピンクやグリーンを私の記憶に残してくれました。木の枝からはついに若葉が飛び出してきて、山を淡い色で染めていっている様です。

 


 

花は咲いては枯れ、また違う花が咲き、季節がどんどん過ぎて行くのが分かります。もう四月も後半に差し掛かりすっかり春らしい陽気になりましたね。
春の風をモチーフにした素材の新作や、素敵なアクセサリーもお披露目しています。どうぞご覧ください。

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淡い春の風をモチーフにした色のテキスタイルです。
>>ツイルオーバーブラウス

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雌しべの様なフォルムのkikkouジュエリー。
>>KIKKOU ピアス

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雨をモチーフに、「ドビー」と呼ばれる技法を用いたテキスタイルのシリーズ。
>>雨ドビーチュニック

花と時間

2018.04.01

西脇では今週桜が満開です。すっかり春らしい気候になって、桜だけではなく家の庭や河川敷、近所の山では至る所で一斉に椿や雪柳、花桃など様々な花が咲き始めました。庭で良い形の枝を見つけては少しだけ切り、家の食卓や事務所の窓際に生けます。凄い速さで過ぎていく年度末の忙しい時期も、花の周りは不思議とゆっくりとした時間に包まれていて、早くなり過ぎている私達の時計を元に戻してくれるのです。

「生け花」と言うのも良く出来た言葉だなあと思いました。切ってしまうのだから、むしろ殺している筈なのに……。人の自分勝手な解釈なのかもしれませんが、切り花が水を得て綺麗に咲き私達を楽しませてくれるのを見ていると「生ける」という言葉の感覚が腑に落ちてくるのです。

 


 

ピンクの優しいカラーのアイテムが公開されています。春がいっそう楽しくなりそうです。是非ご覧ください。

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>>ランダムストライプシャツ

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>>[ONLINE限定]ダブルフェイススカーフ

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>>KIKKOU no.75 pair pierce