近所の花 vol.6[ガクアジサイ]

2017.06.19

梅雨のはじまり、青い花が涼やかで見るとなんだか気持ちが落ち着きます。今日は道端で咲き始めた[ガクアジサイ]について。

小さい頃、ガクアジサイを見ては「いつ花が満開になるんだろう」と待ち続け、いつの間にか夏の訪れとともに枯れていってしまった記憶があります。私が思い描いていた「満開」のアジサイは、てまりのようなポンポンとしたホンアジサイだったのですが、実はガクアジサイを品種改良して、のちに生まれたものなのだそうです。

花びらのように見える部分は、萼(ガク)のかたちが変化したもの。花は萼の中心にある、小さいものを指すのだそうです。それでてっきり、萼からガクアジサイという名前がきたのかと思ったら、それも違うのだそうで。萼の部分が額縁に見えることから額アジサイというのだそうです。そこから別名を「額の花」ともいい、夏の季語として古くから人々に親しまれてきました。

「額の花こころばかりが旅にでて」 (森澄雄)

額の花を見ていると、気持ちだけが旅に出たいと急いていると詠われた句。湿気が高く、ぱっとしない梅雨の季節、それでもたしかに、この花を見るとどこか気持ちが晴れやかになって、どこかへ出かけに行きたくなりそうですね。

34°58’40.5″N 134°57’52.9″E

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