
播州織のストールとブランドの誕生
2017.07.05
播州織の産地では従来チェックやストライプのシャツ生地の生産地として繁栄した播州織産地なのですが、近年、播州織の技術を応用したストールの開発が産地内で盛んに行われるようになり、ストールのブランドがいくつか誕生する新しい動きが出はじめてきました。イベントなどで出展していると、播州織=ストールのイメージを持っている方も多く私達も驚くほど播州織のストールの良さが浸透して来ています。
そもそも、なぜ播州織の産地でストールが作られるようになったのか。実はストールが産地で作られるようになって実はまだもたっていない程、最近の出来事なのです。しかしこれは地場産業が時代の流れの中で大きく変化する切っ掛けであり、播州織の歴史のなかでも大変興味深い出来事でもあると思います。
兵庫県西脇市を中心とした北播磨地区で栄えた播州織は、綿を中心とした「先染め織物のシャツ生地」の産地です。先染め織物とは糸を先に染めてから織る織物の総称で、チェックやストライプなどがその代表例です。具体的に言うと例えば、ロンドンストライプやペンシルストライプ、ギンガムチェック、マドラスチェック、タッタソールチェック、無地であれば、シャンブレーやダンガリーと呼ばれるものであったり、オックスフォードなどもあります。ワイシャツからカジュアルシャツまでシャツ生地を中心とした生地が主流の産地なのです。もちろん現在も産地全体で見ればこれらの生地がほとんどです。
1980年代に最も栄えた播州織ですが、現在では国産の生地の多くはアジアでの生産に置き換えられてしまい、国産で生き残るには、日本でしか作れないものづくりが不可欠となりました。より付加価値の高い製品を開発すべく生地から製品まで完結してモノ作りをすべく取り組む企業が増えるなかで、生地の良さが最もそのまま商品へ影響するストールは、産地のブランドがその製品の良さをアピールするのにはぴったりでした。自分たちの「ブランド」ということも産地にとっては全く新しい取り組みでした。従来の産地の仕事は完全な裏方でしたので、発注があれば、その要望どうりに作る事が仕事でした。「ブランド」として、自ら、世界観や製品の付加価値を提案するような在り方自体がはじめての出来事だったのです。
初めて産地でストールが誕生したのは、もう7,8年前でしょうか。二人のベテランの職人さんが、旧式の織機を使い、産地で初めてストールを作ったのです。それは今までのパリッとしたシャツ生地とは全く違う、柔らかく、ふわりと空気を孕んだ優しい質感のものでした。しかも、もともとシャツに使われる素材は、細い糸の綿や麻が中心となっているので、設備や、職人の技術は、天然素材の柔らかいタッチのストール生地を作るのにはとても向いていたのです。
hatsutokiでは、ウェアとともにストールも制作しております。hatsutokiのストールの特徴は良質な原料で、細く繊細な糸使い。染められた糸の重なりによる奥行きのある色味は、じっと見つめるほどに魅力が増してきます。色味のコーディネートの合わせやすさやボリューム感にも細心の注意を払いデザインしています。通年使える、綿100%のストールから、春夏に心地良い麻混のもの、秋冬におすすめのウール混のものや、カシミアを織り込んだものもあり、どれも今までの播州織にはなかった新鮮な表情です。
ダブルフェイスストール 12000+tax
綿100%の定番のストールです。細く繊細な色糸が混じりあって生み出される奥行きのある色味が魅力的な播州織のストール。通年使えて、どんな服にでも合わせやすく年間を通して一番人気のストールです。
コットンリネンスカーフ 10000+tax
細く繊細なコットンをベースにリネン混の糸を織り込み、涼し気なリネンの節感が夏らしいストール。4方のキャメルオレンジの縁取りのアクセントが全体を引き締めてくれています。春夏シーズンでは一番人気です。
ダブルフェイススカーフ 6000+tax
※オンライン限定
定番のダブルフェイスストールがオンライン限定の配色で登場しました。小振な90cm×90cmのサイズ感はスカーフの定番サイズでもあります。ちょっとした首元のアクセントにぴったり。ラフなスタイルと合わせればコンサバにも見えません。
その他にも、風合いの良い良質な天然素材のストールを多数そろえていますので、是非ご覧ください。
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