日本の染めを巡って[ちいさな藍美術館]

2017.07.14

立派な北山杉をバスから眺めながら、京都の山奥深いほうへ向かい、着いたらそこは時間の流れがまったくちがうように思えるほどに、しずかで緑ゆたかなところ。ここに[小さな藍美術館]はあります。

主人である新道弘之さんは、学生の頃より藍染めに魅せられ、長い間制作活動や研究を続けてこられて、自身が染めの職人でもあります。彼が生きてきた中で、こつこつと収集してきたものを展示した「ちいさな藍美術館」が工房に併設されており、日本の藍染め絞り、また全世界各地でつくられてきた藍染めのコレクションなどを見ることができます。

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美術館の入口のギャラリーショップでは、新道さんが染め上げた絞りの生地や、その生地で作られた小物を見ることができます。作品の数々を見せていただいた時「きれいだろう。俺が作ったんじゃないもの。自然が作り出した模様だから、きれいなんだ」とおっしゃていた言葉に少し衝撃を受けたのを今でも覚えています。


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藍染めによって生まれる色にしろ、絞りでできる模様にしろ、人が作り出すものはどんなに完璧で整ったものを目指しても、どうにもコントロールしきれない「ずれ」のようなものが自然と生まれるもの。それはテキスタイルに関わらず、つくること全てにおいていえることだと思いますが、実は、人はそこに美を見出しているんだと気づきました。長年、藍を研究されてきた新道さんの言葉から、それは簡単な事でないことも同時にわかり、美しさを目指して人が何かを作り出すとき、自然のちからが関与できる隙のようなものをつくることも、ひとつの「技術」なのかもしれないと感じました。ここでしか見られない藍の染めを見に、ぜひ行ってみてください。

[ちいさな藍美術館]
601-0712 京都府南丹市美山町北上牧41
41 Kita, Miyama, Nantan-shi, Kyoto JAPAN
TEL 0771-77-0746
E-mail shindigo@cans.zaq.ne.jp
http://shindo-shindigo.com/


今シーズンの新作、綺麗な藍の色で染め上げたワンピース。

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さらりと着れば、夏でも涼しげ。リラックスした気分で、休日を楽しめそうな一着です。

本藍染キャミソール/45000+tax