
インドの綿花畑
2018.01.18
先日お世話になっている糸屋さんがインドに行かれたと言って、旅の道中の写真を見せてくれました。一面に広がるコットン畑に、何も遮るものがない大きな空。綿が糸になるまでの一連の工程を見に行かれたと話していました。私たちは普段、糸になった綿のすがたを見慣れてしまっていたのでこの風景が新鮮に目に映りました。
現在、日本国内には紡績の工場はほとんどありません。なので国外で栽培された綿花を紡績して、日本はその糸を輸入しています。服屋さんに行くと、この生地はどこでどうやって作られたのだろうかと想うことがありますが、この旅の景色を見せていただいて、その想像がより一層広がりました。
綿の生地の風合いは、育てられる土壌や品種によって様々。同じ太さの綿でもそれぞれ個性があります。この地域で作られる綿は、全て人の手によって摘まれているのだそう。繊維が切れない力加減で丁寧に一つずつ収穫されるからこそ、柔らかな綿の糸となり、しなやかな生地になります。実は、綿は元々インドで誕生した素材といわれています。昔から脈々と受け継がれてきた栽培の技術や紡績の産業が、今もなお人の衣文化の中心であり、始まりとなっていることを実感できました。