
hatsutoki books vol.2[women’s work]
2016.05.26
今回紹介するのは[women’s work -textile art from bauhaus-]。1900年代前半、ドイツの造形学校「バウハウス」にある織物工房で活躍した、女性のしごとについて書かれています。
当時のドイツは戦争で多くの兵士を失ったために、女性がしごとを見つけ、自活していく必然性がありました。そんな時代のなか、入学を申し出た女性の多くが、絵画をはじめとした芸術分野へ関心を寄せたにも関わらず、なんとそのほとんどは無条件に織物工房へ入る以外の選択肢を与えられなかったのだそうです。
今から約100年前、ドイツでは女性がすでに社会的な自立に向かっていたことにもたくましさを感じますが、織物以外に選ぶ余地のなかった彼女たちが、それでもなお燃え尽きることのない探究心で、織りのうつくしさとその可能性を追い求めた作品には目を見張ってしまいます。今より生きていく道が限られた時代でも、いいものを生み出していこうとする姿はひたむきで潔く、すてきだなと感じる一冊です。