播州織ができるまで⑥ -ビーム染色について-

2016.07.23

以前、染色時の糸の状態は綛(かせ)、チーズ、ビームの3つに分かれるというお話をしました。今回はビームでの染色について、少し工程を戻って紹介します。

ビームを使って染色するのは大量の経糸を必要とする、長い生地を織る場合。上の写真は染色のときに使うビームの側面で、ここに糸を巻き付けて染色します。筒状になっており、側面は穴が開いているので外側からだけでなく、内側からも染液がしみて糸がきれいに染まるのです。

 

ビーム染色した経糸

 

ビーム染色が大ロット向きの染色方法というのに対して、チーズ染色は中ロット向き。ビームの状態で染めた糸はこのまま経糸の準備工程に進むため、経糸にしか使われないのもチーズ染色とちがうところです。(経糸がビーム染色の場合でも、緯糸はチーズ染色で染め上げます。)そして、ビーム染色にしかない点がもう一工程。次回は[畦取り]という作業についてお話しします。