
青垣
2016.07.18
西脇の街を囲う美しい山々の景色を言い表す言葉を見つけました。青垣「あおがき」は周囲を囲う山々が連なって青い垣に見立てた様子を表す言葉だそうです。垣は、垣根など家を隔てるものの他に、間や心を隔てる意味もありますが、街を隔てる山にも使われたのですね。
山は実際には青でなく緑ですが、青と緑の認識の境界は曖昧で、「青々とした葉っぱ」という言い方もあるので、青垣と言われてもあまり違和感は感じません。むしろ青と言われたら、記憶の中にある山々の風景は青だったような気がしてくるから不思議です。日本人の独特な感覚かもしれませんね。
言葉を知ることで山々を「街を隔てる垣」だと新しい認識を得ることが出来たのですが、日常の風景が変わって見える体験はいくつになっても新鮮です。物事は、それを言い表す言葉を知らなければ認識することが出来ません。知ることで意識がそこに向き初めて認識できるようになります。たとえばある花の名前を知ることで、今まで雑草だと思っていたものが雑草ではなくなるのです。知ることで自分の世界が広がっていく経験はとても貴重で刺激的です。年を重ねても知識を吸収することを止めずに、今見ている景色とは全く違う広大な世界を見てみたいものです。
_murata