material by hatsutoki
-hatsutokiの播州織・素材のものがたり-
四方を山に囲まれ美しい河が流れる兵庫県西脇市は、冬は霧に覆われ夏は青々とした景色が広がる街です。豊富な水資源は織物の産地を育み西脇は播州織の街と呼ばれています。職人の確かな技術と繊細な手仕事と次世代のデザインチームが一体となりhatsutokiは今までにないオリジナルの素材を生み出しています。ふらりと歩けば機織りの音が聞こえるこの街の美しい織物と、その誕生のものがたりを綴ります。
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No.1 [Fine Cotton Twill Chambray/ファインコットンツイルシャンブレー]
細い綾目と重なり合う色目は見入ってしまうほどに美しい表情。高品質な綿ならではのシルクの様な光沢と、そしてその奥には綿らしい素朴な表情を見出しました。繊細でいてどこかノスタルジックなhatsutokiの美意識を体現する代表的な素材です。
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No.2 [Double Face Chambray/ダブルフェイスシャンブレー]
ダブルフェイス(=二重構造)の織物は、従来子供服やハンカチなど、柔らかさが好まれるガーゼ素材に多く使われていました。hatsutokiでは細さが約0.09mmの超細番手の綿糸を用いて織り上げることで驚くような柔らかさと上品な質感を生み出しました。空気の層を含んだ生地は軽やかでとろける様な肌触り。hatsutokiを代表する定番テキスタイルです。ここでは糸を染め、織り始める前の準備工程をご紹介します。

No.3 [Japanese Indigo dyeing / 天然藍灰汁醗酵建藍染]
『心に澄み渡るような美しい色に出会うためには、果てしなく同じ作業の繰り返し。真面目に藍と向き合ったとき初めてその姿を見せてくれます。』東京の西、青梅の工房・壷草苑が生み出すこの美しい藍色に出会った時、とても心動かされた事を覚えています。深く、どこか懐かしく、そして自然の力強さを感じさせる色でした。かつて江戸時代に栄え、現代に受けつがれた歴史ある藍染めの染色技法をhatsutokiの生地に施した特別な素材のシリーズです。

No.4 [Shadow Weave/影織り]
「影織り」という織物が、工場の目の前の織機からはじめて生まれた時、今まさに糸の一本一本が組織し布を成した瞬間、「物を生み出す」という不思議で根源的な喜びと、その美しさにとても感動しました。西脇から車で30分、急勾配な山間に現れる3代続く小さな工場。発明家の祖父の代から引き継がれた技術は、2代目の手によってデジタル化。そして3代目とhatsutokiの協業により全く新しい表情が生まれ、私達はそれを”影織り”と名付けました。風が吹き抜けた湖面、あるいは月明かりに照らされた山の様な、不思議な色の奥行きと連続したパターンが”影”のように浮かび上がります。吸い込まれるような魅力の素材です。