これがコットン?ととろける様な質感。最高級の技術で紡がれる上質な糸ならではの美しい光沢。そして光沢の奥には、古くから人々の生活に馴染んで来た綿という植物が生み出だす素朴な表情を見出しました。繊細でいてどこかノスタルジックな表情。この素材が醸し出すインスピレーションこそがhatsutokiの美意識の根底にある「しなやかな日常着」の原点とも言えます。Twill(ツイル)とは織物の糸の組織の基本、最もプリミティブなパターンの一つです。原始的でいて奥が深いこのパターンはデニムなどにも使われ、斜めに走る立体的なライン(綾目)が特徴的な織物です。hatsutokiの”Fine Cotton Twill Chambray”は極細のコットン糸を使用し、播州織の技術に支えられ、重なり合う色糸が深みのあるシャンブレーと細い綾目を構成しています。
ツイルシャツ / col:G(グレー) / size:0(free)
重なり合う色糸が生み出すシャンブレーが生み出す奥行きのある色。じっと見つめると繊細な綾目が見えてきます。その表面を滑らす様に指でなぞるとかすかに感じるその凹凸が”織物は立体である”ことを改めて教えてくれます。
ツイルシャツ / col:W(ホワイト) / size:0(free)
服に仕立てる時は肌と布の間にゆとりを入れ、生地の”揺れ”を生み出します。しなやかに波打つ繊細な生地は、肌に触れては離れ心地よい空間とともに身体を包み込んでくれます。
ツイルシャツ / col:W(ホワイト) / size:0(free)
この素材のしなやかさを生み出す為の最も重要な要素は、なんといってもその糸の”細さ”です。髪の毛より細いわずか0.09mm。この糸が紡ぎ出され、染め、織る為にはその全ての工程で職人の技術や工夫が必要とされ、時には生産性を落とし手間の掛かるやり方を選択します。細い糸を作り出すには、繊維長が長い良質な綿(わた)が必要です。綿の原料はエジプト綿。ナイル川の豊かな水資源と、太陽の光が降り注ぐ大地は綿の生育にとても適しており、中国、アメリカ、インドと並ぶ綿の産地の一です。その中でも特に選りすぐりの繊維一本一本が長くしなやかな綿を使うことで、極細の糸をはじめて紡績することができるのです。更に繊維の長さが長いと糸の表面に毛羽が出にくくなり、糸自体もシルクのような光沢を持った表情にもなるのです。綿(わた)から生地になるまでに携わる途方もなく多くの方々の丁寧な仕事の連続が美しい織物を生み出しているのです。
糸の原料となるコットン。ふわふわした繊維が植物の実の中から出てくる、自然が生み出したこの不思議で美しい植物。人が栽培いするようになったのは約8000年前と言われています。日本で庶民の手に広く行き渡るようになったのは江戸時代以降と言われていますが、今では綿を身に着けていない日はないくらい、私達の生活の一部となっています。
綿の繊維の一本一本を回転させながら”撚(よ)り合わせる”ことで糸が出来上がって行きます。繊維の長さが短いと、すぐにぼそっと解けてしまい細く繊細な糸はできません。良質な糸は良質な綿づくりから始まるのです。
ツイルシャツ / col:G(グレー) / size:0(free)
“Fine Cotton Twill Chambray”はhatsutokiの定番素材の一つとして、現在ネイビー、オフホワイト、グレーの無地3色をラインナップしています。播州織が得意とする先染めならではの奥行きのある深く上品なネイビー。グレーは、ほんのすこし紫をミックスした色味にすることで、女性らしく柔らかい印象にしました。オフホワイトはいわゆるワイシャツの白とは又違う、日常着にふさわしい”柔らかい表情の白”となっています。通年で着用できますが、特に春夏にお勧めの素材です。程よい透け感と、みずみずしいコットンならではのしっとりとした質感をお楽しみ頂けます。