朝のタイムマシン

2020.02.02

キリキリとした冬の朝にやわらかい山の影
いつも見ている山がこんな形だったなんて知らなかった。
朝焼けの光に山も、川も、
街の家も車も全てが包み込まれて現れた、
影と、オレンジ色の世界。シンプルな。
100年前と変わらない。5分間のタイムスリップ。

夜があけて

2019.12.23

一年でもっとも長い夜があけて、
霜に当たる光とサザンカの花が美しい朝の庭。

夜が長いほど、夜明けの喜びは大きい。
冬が寒いほど、ほうれん草の葉は甘い。

世界のバランスはそうやって保たれているのかもしれない。
それなら長い夜をどうやって楽しもうか。
温かいスープでもつくろうかな。

雑草

2019.10.17

草刈りをサボってしばらく放置していた家の庭に夕方に西日が差し込んで、満開の(?)ネコジャラシを黄金色に染めていました。美しい景色をみて、ふとネコジャラシの存在が気になりました。

知っているようで知らなかった「ネコジャラシ」。改めてへんな名前だなぁと思いつつ調べてみました。Wikipedia によると犬の尾に似ている事からエノコログサ(犬っころ草)と呼ばれたり呼び名は色々ある。植物としてはイネ科だそうで、粟とかなり近いものらしい。だから秋にこうべを垂れる様に実り、食べる事も出来る。アワ作と共に伝来し、縄文時代以前は自生していなかったらしい。

ネコジャラシは雑草だと思っていたが、雑草という言葉は面白い。ネコジャラシをここまで知ってしまうと、もはや雑草ではなくなってしまうのだから。ものごとは、見方や考え方ひとつで無価値なものにも、美しいものにもなる。出来るだけ美しいものが沢山ある世界に生きていたい。

 


 

秋らしくなり、新作の洋服も沢山入荷しています。こんな景色を日々感じながらテキスタイルをデザインして、その土地らしい、収穫物のような物作りが出来たらと思っています。是非そちらも覗いてみてください。

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記憶

2019.10.01

記憶は、色や、匂いや、触感と結びついてる。それに触れた途端にふと遠い昔の埋もれていた景色が蘇る。

夕焼けの空の色や、紅葉の山、海の青。雨の匂い、畳の匂い、金木犀の匂い。結露したグラスの冷たさ、霜柱を踏んだ感触、木綿の布団の心地よさ。

そういった、記憶の断片をテキスタイルに込めて、誰かの記憶の中に入り込み、なにか大切な感情を思い出すようなものを作って行きたい。

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誰しもが記憶の中にあるような景色を素材に落とし込んで服を作れたら、そのものを手にしたとき、ふと懐かしい感情や優しい気持ちが湧いてくる。ものも大切に使おうと思える。

秋冬のテキスタイルにも幾つかそんな思いで作った代表的な素材があります。”grandma“や”pottery tiles“、”cosmos“など、記事の色、柄、質感。糸の表情と景色を重ねてデザインしました。リンク先のオンラインページで紹介していますので是非ページも覗いて見てください。

立秋

2019.08.18

カレンダーを見るともう立秋とあり、立秋を過ぎるとひぐらしが鳴き始め、夜は仄かに涼しくなる、と書き添えられている。本当にその通りだと先人の観察の細やかさに感心します。

空には秋の雲が出始める、という情報もありましたが、それはなかなか上級者でないと難しく私にはまだ見分けることができずにいます。しかし目や、耳、鼻、肌で感じることが出来る”何か”は、秋の訪れを間違いなく察知しています。言葉には出来ない、移り変わりの気配を楽しんでいます。

 


少しづつ秋物が入荷してきています。ぜひオンラインストアも覗いて見てください。
お盆の休み明けからは、少しづつ新作も登場いたします。
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イベント情報

技術と心

2019.07.03

少し前に、私達にしか出来ないものづくりとは何なのかという話になりました(WEBメディアの取材の中での話だったと思います)。ものづくりにおいて、絶対に他では出来ないと言い切ってしまうのは、しばしば乱暴だなと思うときがあって、なかなか難しい問題です。西脇の技術は高く、確かに簡単には真似できないこともあるかと思いますが、絶対に他で出来ないか?と言ったらわかりません。

このような話が、技術の事だけに偏ってしまうのは良くない傾向です。ものを生み出す、ある人の仕事は技術と心(精神、その仕事に取り組むためのモチベーション)からなっています。どちらか一つが欠けてしまっては本当に世の中にとって必要なもの、人の役にたつものは生まれません。hatsutokiのものづくりは、この土地の空気や文化、精神と技術が一番良い状態で組み合わさったものを生み出したいと考えています。

西脇の人々の布づくりにおいての精神は、産地の成り立ちや、この地域の風土とも深くつながっているので、他の産地や、海外のそれとはやはり違うこの土地独特のものであるはずです。それは「クオリティ」に関しての考え方であったり、「経済性」と「ものづくり」のバランスのとり方であったり。

私達は、時代の中の価値観の変化を感じ取り、技術と心のあるべき姿を探りながら、手探りですが地道に、ものづくりのあり方を模索しそれが結果としてこの土地でしか作れないものになればと考えています。

 

 

こぼれ落ちる光

2019.05.21

木陰を風が吹き抜け、見上げると、重なり合った枝葉が揺れ、隙間から空が覗く。

初夏。若く力の有り余った日の光は溢れぽろぽろと空間に線を描きながらこぼれ落ちる。

地面に到達すると光と影が、揺れては重なる映像美のような光景が映し出される。

新鮮な緑の葉がこすれる音と鳥の鳴き声だけが聞こえる空間の記憶。

 


 
この記憶がレンズを通してフィルムに光が焼き付くのと同時に記憶に焼き付いたものなのか、もっと以前の、子供の頃の記憶が掘り返されたものなのか。頭の中にあったこぼれ落ちる光のイメージを元に木漏れ日の生地を描きました。
この写真は丁度一年ほど前に、北海道で撮ったものだったか。フィルムなので正確な日はわからなくなってしまったのだけど、白樺が写っているところを見ると、西脇の森ではなさそうです。

こんな空間に寝転がって、何時間でも過ごしていたい。ウェアは肩肘はらず、リラックスしたものに。シワが付いても、多少汚れても平気で洗える。そんなデザインにしました。

 

 


[木漏れ日 キャミソール] ¥16,000+tax
 


[木漏れ日 フレンチスリーブシャツ] ¥24,000+tax

 


[木漏れ日 ライトパンツ] ¥27,000+tax

 

2019.05.05

ひやりとした空気の中に、生温い風がほのかに混ざり、夏の気配を感じる。

紺色の空に、絵の具が滲む様に緋色や薄い桃色が混ざり、その面積が段々と広がる。混ざり方は、その時、その瞬間だけの色。

目を奪う様な朝焼けに、思いがけず立ち会うことはあっても、それをタイミングよく記録する事は中々出来ない。車から飛び降りて助手席に置いていた古いフィルムカメラで数枚撮影。1、2分の間くらいだろうか。次の瞬間にはもう、色の絶妙な調和は崩れていた。

ハル

2019.04.11

春の存在は木々や風や鳥が、いつも教えてくれる。蕾が限界まで膨らみ、一斉に芽が吹き出す。山のすべての蕾が一斉に吹き出すものだから、錆びたような褐色の景色に突然色がつく。風が、あの冬の鋭い風が、優しく柔らかくなる。鳥が、長い間沈黙していた鳥が騒ぎはじめる。

ハルは3月28日生まれの祖母の名前。季節をそのまま名前にするなんて、とても素敵だと思った。きっと木々の芽が出て、風は優しく、鳥が鳴くような、心地よい日和だったのだ。
 


 
こころ踊る春の日和に合わせて、新しいウェアやストールが並びました。
是非御覧ください。

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春夏のイベント

はじまりの日

2019.01.04

太陽は何万年と同じ軌道を描き
今日も夜の黒を追いやった。

海や山や大地に朝の光が滲み始める。
鳥や虫や動物が眩しさで目覚めた。
はじまりの朝。同じで新しい朝。

今日を大切にしよう決意した。

 


 

あけましておめでとうございます。
私達のものづくりが皆様の生活に瑞々しい彩りを、
作り手にはその手から物が生まれる新鮮な喜びを。

太陽が夜を退け、大地を温めるように、
満月が引力で、海を満たすように、
私達の日々の仕事が、
そんな尊い瞬間を増やせるよう、
ものづくりと向き合って参ります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
健やかな一年になりますように。

hatsutoki